魔法のコトバ



私は悟郎とは違う大学に進学した。
お互い忙しい身ではあるけれど、週に一回は必ず会う時間をつくっている。
悟郎は甘えん坊だし、私だってできるなら毎日会いたい。
でもこればかりは仕方がない。
将来のために我慢しようと彼に言うと、不満そうではあるものの、しぶしぶ頷いてくれた。

「でもさ、やっぱ淋しいよ。澪ちゃんと会えないなんて」

しょんぼりと肩をおとす悟郎は、パゥに負けず劣らず、可愛い子犬のよう。

「幸せの魔法を使えばいいじゃない」
「魔法はもう使えないんだ。ポペラ語封印しちゃったし」
「あれ、悟郎知らないの?私たち、ちゃんと魔法使えるんだよ」
「え?」
「ある言葉を毎日伝えあったら、いっきに幸せになっちゃうの」

そう私が言うと、悟郎は目をキラキラと輝かせる。
相変わらず女の私より可愛い。
ちょっと悔しいけど、自慢の彼氏。

「何それ澪ちゃん!どんな言葉なの!?」

身を乗り出す悟郎に、私はクスリと笑って伝えた。



『愛してる』は魔法のコトバ



(ほら、幸せを感じるでしょう?)
(凄いや澪ちゃん!もう最高!)







2007/12/06
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