あと3ヵ月



あなたの視線の先にいるのは、いつも彼女なんですね。


「わかっているなら、そろそろ諦めたらどうだ、澪」
「そんな簡単に諦めれたら、苦労はしないの!」

だって好きなのよ。あなたのことが。
たとえこの想いが叶わなくても、可能性はゼロではない。
南先生が真壁くんの気持ちに気づかない限り、私にだってチャンスはあるの。

「先生が真壁くんを好きになるって決まったわけでもないしね」
「……………澪」

そんなに睨まなくったって、自分がひどいこと言ってるってわかってるわ。
でも止まらない。止められない。

「……俺は卒業するまで担任に告白するつもりはない」
「え、そうなの?」

意外だった。
真壁くんのことだから、いつもの俺様ぶりを貫いて、先生に想いをぶつけるのかと思ってた。
うまくいったら学校側には金をつかませるとか。
以前の彼だったらきっとそうしたわ。
そんな彼を変えたのは、南先生。

「適わないなぁ」

そっと呟いて、目から熱いものが零れだす。
やだやだ。真壁くんの前では、彼と先生のことで泣きたくなかったのに。
きっと面倒臭い女と思われる。

思ったとおり真壁くんは呆れたような顔をして、でも優しく涙をぬぐってくれた。

「何で泣くんだ」
「あ、いやちょっと、ね」
「……まぁいい。とにかく、卒業まであと3ヵ月ある。それまでにこの俺を心変わりさせてみろ、澪」
「………え?」
「いいか、最後のchanceだからな」

要するに、3ヵ月で真壁くんを振り向かすことができなかったら、もう私に望みはないと。
なんて偉そう。さすが真壁くん。

でも、できるかな。
さっきは強気なこと言ったけど、あとたった3ヵ月なんて。
今までも頑張ったのに、全然相手にされなかった。
なのに、あと何をすればいいの?

「俺は、澪のこと嫌いではないんだからな」

そうやって私を縛り付けるんだね。
頑張らないわけにはいかなくなったじゃない。
だって最初はあんなにそっけなかったのに、今ではこんなに成果がでてる。



勝負は残りの3ヵ月



きっと振り向かせてみせる!







2007/12/03
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