かわいいおんなのこ



「おかえりなさい」

微笑む倫に、胸が満たされる。
ああ、僕は本当に心底彼女を愛しているのだと実感する。

彼女への想いを自覚したのは、多くのものを失った後。
絶望を知ってしまった僕を、倫はずっと側で支えてくれた。
それがどれだけ嬉しかったことか。

一度意識すると後は早く。
彼女の一挙一動に心が疼いた。
そして気づいたんだ。
倫も僕を好いてくれていると。
僕はずっとおこうさんへの気持ちを一生の恋だと信じて疑わなかったし、彼女の方もきっと無自覚だったのだろう。
僕に向ける倫の表情は、誰に対するものより可愛らしい。
笑顔はもちろんのこと、少し怒ったり、拗ねたりした表情。僕が帰路につく時に僅か見せる寂しそうな顔。
なにより照れてはにかんだ様子など、絶世の美女と謳われるものとて敵いはしない。
そう告げると彼女は困ったように、しかし嬉しそうにはにかんでくれるのだろうな。

「三郎さん?」

目の前で黙ったまま自分を見つめる僕を不思議に思ったのだろう。
倫は心配そうに首を傾げて、僕の顔をのぞきこむ。

ああ、本当に、なんて可愛らしい人なんだろう。

たまらなくなって僕は勢いよく倫を抱き締めた。

「きゃっ!三郎さん!?」
「ね、倫。愛しているよ」



世界一可愛い僕だけの女の子



ああほら、その表情がたまらない。







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thanks title
確かに恋だった

2010/07/11
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