胸に秘めた恋心



いつきりだそうか。
最近になってはそればかり考えている。
他に考えなければならないことは山ほどあるというのに、なんてザマだ。
こんなに気になるのだから、とっとと告げてしまえばいい。
自分はそういう人間だったはずだ。
それなのに未だできてないのは、やはり振られてしまうのが恐いから。

彼女が自分を好いてくれているのはわかっている。
だがその彼女は僕が他の女性を好きだと思ったままだ。
それも彼女にとって姉同然な人。
だからきっと簡単にはこの想いを受け取ってもらえない。
ならばどうすればいい?


「あの、どうしたのですか?」
「え?」
「さっきからずっと黙ったままで……私、何かしたんでしょうか?」
「あ、いや、違う、違うんだよ!」

目の前で困った顔をしている志月さん。
不謹慎かもしれないけれど、とても可愛らしい。
もう今告げてしまえばいいのではないだろうか。
決めてしまえばもう早い。

「志月さん……」
「はい?」
「僕は君を愛してしまっているようだ」
「……………はい!?」

予想通りの反応で、僕は思わず笑ってしまった。

「あの、冗談ですか?」
「僕が冗談を言っているように見えるかい?」
「いえ……でも三樹さんはおこうさんを……」
「ああ、好きだったよ。でもそれは憧れだったと気づいた」

志月さんの目が丸々と見開かれる。
僕は彼女をゆっくりと抱き締めた。



その胸に秘められた想いをどうか解き放って



志月さんは顔を真っ赤にして、僕の首に腕を巻きつけた。







2008/03/21
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