ねぇ、愛して



君に「好きだ」と何回言った?
「私も好きです」と返してくれたけど、それは明らかに友人に対するもので。

君が相馬のことを想ってるの、俺はよく知ってるさ。
だてにずっと二人と一緒にいたわけじゃないんだぜ?
そしてその度に軋む俺の心。


酒に任せて「好きになって」と言ったこともあったなぁ。
君はいつも「もう好きですよ」と苦笑い。
君の口からこぼれる「好き」という言葉が嬉しくて、でも違うんだ。
俺が求めてたのはそれじゃない。
なんていうかな。
俺と同じ気持ちになってほしかったんだ。


なら俺のこの気持ちはなんていうんだっけ?



体が宙に放られて、俺から流れ出る血がその軌跡を描いている。
それをただ眺めながらこんなこと考えるなんて、変かな。

海が近づく。
大きな音をたて、そして深く深く暗闇のもとへ。

もう薄れてゆく意識の中で、ふと思い出した君の笑顔。



ねぇ、愛してよ



ああ、そういや、これが俺の求めていたものだった。







2008/02/08
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