title by hmr
(Nがヤンデレ)



彼女の白い首に手をかける。力は籠めていないから痛くはないだろう。

「え、ぬ……?」

いつもより小さくなったキミは、敵に捕まってしまった小動物のような目をしている。
この手に力を加えるだけでどうなるかは容易に想像がついた。だからボクの両の手はそのままピクリとも動かない。

「そんなに怖がらなくても何もしない。というより出来ないから、安心して」
「どうして……?」
「ボクが聞きたい」

ボクはホワイトが好きで、ホワイトもボクが好きだと言う。分かりたいと言う。愛してくれるかと問えば必ずイエスの返事が返ってくる。
なのに他のトレーナーと観覧車だなんて。

「苦しいよ、N」
「……ボクも、だよ」

ちょっと冷静になれたらしい。小指、薬指。彼女の首元から徐々に崩れ落ちていく。

「キミはずるいんだ」

ほら。今だってキミはボクを睨みもせず、ただ見つめている。そこにどんな感情が籠められているのかは知らないけれど。でもキミはいつだって優しいから。
だから見たこともないトレーナーに嫉妬以上の何かを抱いてしまうんだ。

「狡い」

馬鹿な思考だって止められないんだ。キミのせいで。



end.




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