「ああ、いいな、その表情。」

ー…なんで、こうなった？

じわり、じわり、と留三郎は俺の首を絞める手の力を強くしていく。
なんでこんな事になった？

「なんで俺がこんな事するのかって顔してんな。」

「ど、して…」

「理由はねぇよ。理由はねぇが、意味はある。」

コイツは一体何を言ってんだ…

「なあ、このまま俺を、俺だけを見たまま死んでくれよ。そうしたらお前の中に最後に残るのは俺だけだろ？俺だけを思って、俺だけに感情を向けて、そうしたらお前は俺のものになるだろ？あれ、これって理由になんのか？まあ何でもいいや。とりあえず文次郎、」

愛してるぜ。


ああ、その言葉一つでこのまま死んでもいいか、なんて思った俺も相当おかしいんだろうな。