俺とアイツの関係は、誰も知らない。今までも、これからも。
例え愛していたとしても誰にも知られないように、暗い暗い夜の闇で隠しておかなければならない。
この溜め息の行方すらも、誰も知らなくていい。

「これでおら達は共犯者だべ。」
その一言から始まったのか。
共犯者、その言葉に俺は救われた気がしたんだ。
ああ、これで同じ匂いを抱いてお前に会えると。
口実は何だってよくて、今日だって酷く頭痛がして眠れないからとそっと部屋を抜け出してきた。

アイツが来るのを静かに待っていると突然壁に体を押し付けられた。
「隙だらけだべ、文次郎」
そんな言葉と共に降ってくる口付けは、段々と激しさを増していく。
誰が来るかわからないこんな所で行為を続けるのは憚られて、移動しようと強請る。
するとアイツは優しく笑う。
「文次郎は何を怖がってんだ?」
耳元に口を寄せて甘やかな声で俺に囁く。
「何があっても俺がそばにいる…身体の奥で」

ああ、そうだな。
満ち足りた運命も、皆が言うような美しい永遠も、今更関係ないな。
俺にとってはお前が全てだから。
絡みつくような瞳に嵌り込んだのは俺かお前か。


いつだってアイツは俺を甘やかすんだ。
「嘘を吐きたくないんだったら黙ってればいいだーよ。おらだけが本当のこと知ってればいいべ。これは悪い夢なんかじゃなくって愛しさだって。」
泣き言を言ったら終わりだと約束したから、だから今は全て忘れて今まで以上に感じ合うだけでいい。

それでも、願うだけならいいだろう?
いつの日かお前と、青空が見たいと。
眠ってるお前の背中に書いた言葉は俺だけが知ってればいい。

俺もずっとお前のそばにいる、身体の奥で


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初与四文…!
与四郎さん難しいお…!


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