「エクスタピアス対談はじめるでー」
「なんすか部長、そのビミョーなネーミング」
「文句は管理人言うてくれ。俺も司会しろ言われただけなんやから」
「ほならしゃーないっスね」
「ちゅーか何についての対談やねん」
「えーと……『自分の彼女について自由に語れ』、やって」
「は?俺彼女なんていーひんのですけど」
「水無瀬ちゃんがおるやん」
「アイツは単なる幼なじみっスわ」
「そーいう割にはこないだお化け屋敷ん時、ええ雰囲気やったやん」
「……謙也さんの目は節穴っスか?」
「ぐさぁっ!」
「け、謙也っ!」
(ウザ……)
「せっ、せやけどなんや優しくおんぶしたっとたやんかっ」
「あれはあのアホが腰抜かしおったから仕方なくですわ」
「そ、そないなこと言うて、ほんまは水無瀬んこと好きなんちゃうん?」
「(めんどくさ……)……まぁアイツんことが気にならへん言うたら嘘になりますけど、」
「せやろっ!?」
「せやけど、それは部長が遠山を気にかけとるんとおんなじ理由からっスわ」
「白石と金ちゃん?」
「部長が遠山を気にするんは何でです?」
「そりゃあ金ちゃん放っといたらどこで何しとるかわからへんし、気にしとるっちゅうか、見張ってへんと怖いっちゅうか……、手のかかる弟持った兄の気分いうんか?そんな感じや」
「っちゅー訳ですわ」
「は?ようわからへんわ」
「はぁ〜……。せやから俺にとっての日和は世話のやける妹みたいなもんで、それ以下でも以上でもないっちゅーことっスわ」
「ほーん(つまらへんなぁ……)」
(俺としては、他人に淡泊な財前がそこまで気にするあたり脈ありやと思うんやけどなぁ……。まぁ黙っとこ)
「ちゅーかなしてこの対談俺ら3人なんです?アホな管理人が俺と日和んことを勘繰るんはしゃーないにしても、謙也さんに至っては女の影もありませんやん」
「俺も管理人にそう言うたんやけどなぁ、管理人が謙也が彼女おるって言うたもんって言い張るもんやから、押しに負けてしもて」
「うっそ!?謙也さんいつの間に彼女作ったん!?」
「ちょ、さっきから自分ら俺のことけなしすぎやろっ!俺やって彼女のひとりや二人……いや、二人もおったら困るけど、おるわっ!」
「その彼女てちゃんと人間です?」
「当たり前やろっ!しばくで自分!」
「財前あかんなー。こういう質問はちゃんと聞き方考えな」
「……すんません」
「財前がほんまに言いたかったんは、その彼女実在しとるんかっちゅーことやろ?」
「!」
「中高6年間謙也の親友やっとる俺でも見たことないんやもん、その辺気になるよな、財前」
「っス」
「…………(何や雲行き怪しなってきたわ……)」
「なぁ謙也。その彼女、どこにおるん?同学年?一つ下?」
「…………(ヤバい)」
「あ、もしかして他校か?」
「それなら俺らが知らんのも納得いきますね」
「なぁ謙也。ほんまに彼女どこにおるん?」
「………………………いや」
「「ん?」」
「だぁーからっ!全部俺の脳内の話やっ!悪いか、ボケ!」
「「はぁ〜……。やっぱしか」」
「むっつりで見栄っ張りな上に逆ギレとかめちゃくちゃダッサ」
「う゛っ……!」
「財前、ちょお言葉を選び。謙也がめっちゃダメージ受けとるから」
「ちょーっと妄想するくらいええやんか、別に。だいたい白石と財前ばっかええ思いしすぎやねん。俺はずっと弄られるだけなんやし」
「はいはい、謙也ストップ。何や別人キャラ入ってきてるから」
「はっ、恵まれとるやつはこれやから」
「せやからひがむんやめぇって。自分不動峰の伊武君か」
「……すんまそん」
「そこはノらんでええっちゅーねんっ!そないなことより、ひがんどる暇があったら隣のクラスの紅林さんを彼女にする方法考えようや」
「なっ、なしてそこで紅林の名前が出てくんねんっ!?」
「やって謙也の脳内彼女、十中八九あのコやろ」
「な、なななして断言できんねんっ!」
「そりゃあ長年謙也の親友やっとるからな、みとればわかるわ」
「紅林って誰です?」
「紅林先輩やろ。財前も知っとると思うで。謙也とよく一緒におる放送委員の……」
「あぁ、あのふわふわした人っスね」
「ちょ、財前っなして自分まで納得すんねんっ!」
「そりゃああの人と話しとる時の謙也さん、終始にやけとりますし」
「!?」
「まぁ謙也さんがわかりやすすぎるっちゅー話っスわ。もしかしたら紅林センパイも気づいてるんとちゃいます?」
「!!?」
「あ〜、それはまずないわぁ。あのコ見た目通りにぶにぶやからなぁ」
「あー……」
(ま、マジかっ!? ちゅーか俺そないにわかりやすいんかっ!?自分ではポーカーフェースのつもりやのに……(エンドレス))


謙也が自問自答のワナに嵌まってしまったため、強制終了。




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