ドタバタと階段を駆け登る音。

「ひー君、大丈夫っ!?」
「喧しいわ、アホ日和」

ベッドの背に身体をもたせ掛けたまま、じろりと騒々しい来客をねめつける。

「あれ、起きててええん?」
「別にたいした風邪やあれへんし。面倒やから学校休んだだけや」
「なんやそれ。心配して損した」

わざわざお見舞いまで持って来たんにと、肩を竦める日和の手には、コンビニの袋。

「何なん、それ」
「コンビニで見つけた贅沢あんみつ」

サイドテーブルに置かれたカップには、フルーツと寒天がぎょうさん入っとる。

「善哉やないんか」
「やって風邪にはビタミンやって散々白石先輩が言うてたから、こっちのがええかなって」

まぁあんこもしっかり入っとるし、白玉もあるから俺ん中では合格ラインに達しとる。

それに日和なりに気ぃ遣うてくれたんやろし。

「ま、今日はこれで許したるわ」
「うわ、めっちゃ偉そう」

苦笑する日和を前にカップを手にとる。
スプーンで掬って口に入れれば、程よい甘さと熱っぽい喉に心地好い冷たさ。

「まぁまぁ、やな」

俺の様子を伺う日和にそう言うと、照れ臭そうに笑うた。



- 2 -


[]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -