今日の朝練、いつもちょこまかと動いとる日和の姿がないのに気づいてメールを入れた。
普段やったら間隔を置かず返ってくるはずの返事はなく。
どないしたんやろ、と頭の片隅で考えとったら、昼過ぎになって漸く『風邪ひいたorz』とアイツにしては珍しく簡潔な返信が来た。

「日和ー、生きとるかー?」
「生ぎどり゛まずっ!勝手にごっ、ゲホッゴホっガホッ!」

午後練を終えて、様子見に訪れると、日和がベッドから飛び起きて、だみ声で言い返した。

「アホ、一応仮にも病人が大声出すなや」

激しく咳込む日和の背中を摩ってやる。

「ほれ、身体起こさんと横になっとり」

咳が落ち着いたとこでベッドに寝かせて、毛布と布団を肩まできっちり掛けてやると、小さく「おおきに」と聞こえた。

「昼メシは?」
「食べた」
「薬は?」
「飲んだ」
「熱は……、」

訊きながら日和の額に手を当てると、自分のそこから伝わる温度より、ずっと熱い。

「まだだいぶあんな」

このぶんやと少なくとも明日も学校休むんやろな。
そんなことを考えとれば、掌に擦り寄る日和。

「……何や?」
「ひー君の手、冷やっこくて気持ちえぇ」

日和は掠れた声で言いながら、目を細める。

「……アホ。自分が熱すぎなんや」
「もう少しだけこうしとって貰てもえぇ?」

そっぽ向いて「好きにせぇ」と答えると、微かに笑った気配がする。

その後、日和が眠るまで掌を貸してやっとったんはここだけの話。



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