「今回も懲りずにエクスタピアスの対談、始まるで」
「って!めっちゃ棒読みやな、財前!」
「しゃーないですやろ、前回どこぞの部長がアホな発言したせいでお鉢が回ってきよったんですから」
「なんなら俺が代わろか?放送委員で慣れとるし」
「謙也さんはアカン」
「なんでやねんっ!?」
「『司会なんかされたら弄れなくなるでしょ』」
「は?」
「『ばーい管理人』らしいんで」
「おいぃぃっ!」
「ちゅーわけで、今回は俺が淡々と進めさせて貰いますわ」
「淡々なんかいっ!」
「(謙也さん煩さ……)今回のテーマは『彼女との出会い』らしいっスわ。因みに俺は出会いらしい出会いはありません」
「そうなんか?」
「やって彼女との出会いでしょ?俺、彼女おりませんもん」
「まだ言うか。ここは素直に水無瀬との出会い言うときぃや」
「日和とのことにしたって出会いなんてありませんわ。物心つく前から一緒におったんやし」
「正しく幼馴染やな」
「せやから最初からそう言うてますやん。そういう謙也さんはどうなんです?」
「お、俺!?」
「紅林センパイとの出会いは?」
「あー…………、あのコとは3年になってからの委員会で逢うたんや」
「紅林センパイも放送委員やったんでしたっけ」
「おん。なんや色々危なかっしくてなぁ。去年転校してきたばっかのひなみたいで放っとかれんくて。世話焼いとるうちに段々……な」
「謙也さんはお節介ですもんね」
「ちょ、財前!せめてそこはお人よしって言うてや!」
「どっちもおんなじですやん」
「アホ!大きくちゃうわ、ニュアンス的に!」
「はいはい」
(くっ……、軽くスルーしよった!)
「喧しい謙也さんは置いといて……、さっきからいじけとるそこの部長。アンタはどうなんスか?」
「……なんが?」
(ぅわ、白石のヤツめっちゃ機嫌悪っ!)
「せやからアンタとひな先輩の出会いについてや」
「ひなとの出会いやったらお前らもその場におったやん」
「あぁ、確かに」
「こら、財前!納得したらアカン!俺らは知っとっても、読者の皆様は知らへんのやから!」
「やそうです。部長、せやから答えて下さい」
「……去年の2学期、ひなが転校初日にテニスコートに迷い込んで来て出会うたんや」
「せやったせやった。軽い方向音痴やもんな、ひな」
「初めて訪れる場所が苦手なんでしたっけ」
「付き合いはじめてからはどないなん?やっぱしそこら辺考慮したってるんか、白石?」
「そりゃあ……まぁ。遊びに行く時もひなんちまで迎えに行ったりとか」
「おぉ、流石やな」
「え、これくらいフツーやろ?」
「うわ、出よった!白石のさりげなくできる男発言!」
「浪速の聖書やからしゃーないんやないっスか。ちゅうか、部長って道歩く時も絶対自分が車道側に立つっしょ」
「おん」
「くっ……、完璧や流石バイブルや……俺は完敗や」
「確かに謙也さんには真似できなさそうっスね」
「財前、頼むからここはフォローしたってや!」
「すんません、俺ウソつけんもんで」
「!!」
「やって謙也さん、女のペースに合わせて歩くとか絶対できんでしょ?」
「う゛……」
「確かに。謙也、気ぃつけへんと折角彼女できてもすぐにフラれてまうで?」
「うぅ……」
「つか、部長に弟子入りすればええんちゃいます?」
「おぉ、財前!名案やな!」
「ふ……、弟子入りはえぇけど、俺の特訓は厳しいでぇ?」
「のぞむところやっ!どっからでもかかってきぃやっ!」
「……て、先輩らなんの特訓するつもりなんスか」




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