愛しい愛しい、わたしのネコ型ロボット。黄色の耳をパタパタと揺らしてテレビを見ている彼を横目で見ながら、彼の大好きなドラ焼きを焼く。小さな頃からわたしの子守ロボットとして、わたしの側にいてくれた。もうわたしも大学生になって、子守は必要ないけれど、家族として彼は欠かすことのできない存在なのだ。大学に入って一人暮らしを始めたわたしに、彼はついて来てくれて、今は二人暮らしをしている。わたしは今とても、しあわせ。

「いい匂いがする」
「ふふ、ドラ焼きやいてるの」

ごろんとソファにうつぶせになっていた彼が、起き上がってこっちを向いた。真ん丸の目がキラキラと輝いている。

「もうちょっとで焼き上がるから、待っててね」
「あとどれくらい?」
「んー、10分くらいかな」

オーブンを覗いて言うと、ソファの上で足をバタバタ動かした。もう意識はテレビよりもドラ焼きのようだ。それが嬉しくて、内心にやけてしまう。

「待ちきれない!」
「待ってってば」
「早く焼けないかな、お前のドラ焼きは世界一だもんな」

うっとりとした表情を浮かべた二頭身に、思わず飛び付きたくなって、ソファにダイブ。あなたのために焼いたドラ焼きだからだよ、とは言わないけれど、きっと伝わってる。わたしが困っているといつも助けに来てくれる、わたしのヒーロー。

「でも、滅多に焼いてくれないのに、どうしたんだ?」
「だって」

ちん、とタイミング良くドラ焼きが焼き上がった。オーブンから取り出したドラ焼きをお皿に盛って、ソファの前の机に置いた。

「今日、誕生日でしょう?」
「あっ!」

彼は忘れていたようで、わたしのにっこり笑顔に、黄色いほっぺを少し赤くして、照れ隠しにひげをいじった。

「誕生日おめでとう、大好き」
「ん、ありがとう」

これからもずっと側にいてね、愛しい愛しい、わたしのネコ型ロボット。



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ドラえもんHappy Birthday!