昼食の時、嬉しそうに豆腐を食べる兵助を見て、一つ質問。

「もしわたしと豆腐が激流に流されてたら、どっちを助ける?」

ゆっくり顔を上げた兵助は、少し怪訝そうな表情でわたしを見た。その後、ふっと笑う。

「私にハニーって言って欲しいんだ?」
「え?あ、いや…」

言ってきた兵助の表情が、あまりにかっこよかったので、わたしは思わず、少し赤くなってしまった。

「違う?じゃあ、豆腐って言ってもいい?」
「え!や、」
「嫌?」
「うー…」

なんなんだ、本当に!今日はやけに、余裕があるじゃない、兵助。いつも立場が逆なだけに、なんだか嫌とも言いにくい。わたしが困って黙っていたら、また兵助が笑った。今度は、さっきみたいな余裕の笑顔じゃなくて、ぷっと吹き出したような笑い方。

「ハニー、顔真っ赤だな」
「う、うるさいな!」
「冗談だよ、確かに私は豆腐好きだけど、ハニーと天秤にかけられる訳ないだろ」
「…豆腐が大事すぎて?」
「まだ拗ねてるのか?ハニーが何よりも大事だからに決まってるだろ」

今度は兵助が少し拗ねたような声を出したので、わたしは笑顔で兵助に抱き付いた。

「冗談だよ。兵助にそうやって言って欲しかったの」
「わかってるよ」

見上げると、兵助もにっこり笑顔だった。わたしだけに見せてくれる、このかっこいい笑顔がわたしは大好きだ。




クーデレ兵助くんと彼女




×××
クーデレの意味よくわからない、クールな態度だけどちゃんとデレてくれる的な…クールってなんだろう

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