「ふー、お疲れさまー」
「今日の試合も楽しかったべ!」
「でもまた負けちゃったべ〜」
「でもこのあいだより惜しかったよ!」

練習試合を終えたハニーと紺子と珠香は、タオルで汗を拭きながら、女子更衣室に戻った。

「もっと練習しなきゃだべ」
「うん!次は勝ちたいべ!」

ベンチに座りながら言う珠香に、紺子が笑顔で答えた。

「でも、いいなぁ紺子」
「何がだべ?」
「だって紺子、ミッドフィルターだから烈斗くんがよく見えるでしょう」

ハニーの言葉に、紺子と珠香は顔を見合わせてから、笑う。

「ハニーは本当に、烈斗くんが好きだべなぁ」
「うん!」

ハニーは脱いだユニフォームをベンチに置くと、ロッカーから取り出した制服を、ぎゅっと抱きしめた。

「烈斗くん、王子様みたいなんだもん」
「私は吹雪くんのが王子様だと思うべー」
「うんうん!試合の応援に来てる女の子は、みんな吹雪くんのこと王子様って言ってるべ!」
「士朗は王子様じゃなくて、女王様だよ」

夢見るような表情から苦笑いになったハニーが、抱きしめていた制服に袖を通す。少し皺になってしまっていた部分を、慌てて手で伸ばした。

「烈斗くんはやっぱり、サッカーしてる時が一番かっこいいなぁー」
「今日の得点も烈斗くんのシュートだもんね」
「うん!シュートに繋がるように、もっと私達ディフェンスが頑張らないとね、珠香!」
「そうだね、もっと特訓するべ!」

話している間に全員が着替え終わり、荷物を鞄に詰め、更衣室を出る。外では男子部員達が待っていた。ハニーが鍵を閉めて監督に渡し、挨拶をして、解散だ。

「ハニー、帰ろう」
「あ、うん、士朗」
「あと、今日少し本屋に寄りたいんだけど」
「えー」
「あ、それなら俺も行っていい?俺も欲しい本あるんだべ」
「もちろん!一緒に行こ、烈斗くん!」

にっこり笑って烈斗の横を歩き出すハニーに、少しつまらなそうな顔をする吹雪。一部始終を見ていた紺子と珠香は、再び顔を見合わせて、くすくす笑った。


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