「綱海さん綱海さん、聞いて下さい!」
「あ?なんだよ」
「わんねーうんじゅかなさうむとーやびーん」
「おま、え?今なんて?」
「ふふふーキャンちゃんにメールで教えてもらったんです!」
「…わり、俺うちなーぐち苦手だから、よくわかんなかったわ。もう一回言ってくれねえ?」
「えー!そんな!仕方ないですね…わんねーうんじゅかなさうむとーやびーん!」
「もーちょいゆっくり言ってくれよ」
「うう…わんねー、うんじゅ、かなさうむとーやびーん!」
「にふぇーどーなまえ!俺もかなさんどー!」
「ぎゃーいきなり抱きつかないで下さい!っていうか全然わかってるじゃないですか、うちなーぐち!」
「まーな!なまえが可愛くてつい」
「ひどいです!恥ずかしかったのに!」
「はは、わじわじーさんけーなまえ!」
「…わたし、さっきの言葉以外は、全然意味分からないんですけど…」
「なんだ、そうなのか?あ、じゃあ俺にだけ使える挨拶教えてやるよ!」
「綱海さんにだけ、ですか?」
「おお!かなさんどー、って言うんだ!」
「かなさんどー?」
「朝起きたらかなさんどー、寝る前にかなさんどー」
「へえ、わかりました!」



(翌朝)
「おっすなまえ」
「あ、綱海さん!かなさんどー」

「…なまえ」
「あ、おはよ鬼道くん。なに?」
「朝から恥ずかしくないのか?」
「何が?」
「今の沖縄弁だろ?」
「うん、多分!鬼道くん意味わかるの?」
「なまえはわからずに使ってるのか?」
「うん。綱海さんが挨拶だって」
「かなさんどーは愛してるよという意味だ」
「えー!は、恥ずかし!綱海さんのばか!」
「なまえも意味くらい確認しろ…」
「うう…そうかもだけど…でもキャンちゃんになんか新しい言葉教えてもらって、驚かせてやる!」



(翌日)
「綱海さん!」
「おーなまえ、どうした?」
「たっくるさりんどー!」
「は?お前そんなのどこで聞いたんだよ!」
「ふふん、キャンちゃんです!」
「またキャンかよ!お前はそんな物騒な言葉使ったら駄目だ!」
「だって綱海さんがわたしを騙したから…」
「悪かったって!だからもうそんなこと言うなよ?」
「…はーい」
「よし(後でキャンに文句言ってやる)」



 



うちなーぐち(沖縄弁)
わんねーうんじゅかなさうむとーやびーん(私はあなたを愛しています)
にふぇーどー(ありがとう)
わじわじーさんけー(怒るなよ)
たっくるさりんどー(ぶち殺すぞ)

沖縄の方が見たら間違っているとお叱りを受けそうで怖い…!
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テーマ「人外ファンタジー」
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