今日は雨だったので屋内での練習になった。いつもほど思い通りの練習はできないが、やるべきことはたくさんある。わたしもいつものマネージャー業をこなし、午前の練習が終わる一時間ほど前に、お昼ご飯を作るため抜けた。雨はほとんどあがっている。午後は外で運動できそうだ。


みんなが食事を終えて、午後の練習の為にグラウンドへ出ていく。雨でぐちゃぐちゃだから、きっとグラウンド整備から始めるんだろうな。わたしは冬花ちゃんと二人で、昼食の後片付け。外から聞こえてくるみんなの声を聞きながら、リズムよく皿を洗う。と、わたしの携帯がブルブルした。

「あ、メール」

残った皿の泡を手早く流して、水を止めて携帯を取り出す。

「誰から?」

皿を拭きながら、冬花ちゃんが言った。

「綱海さんだ」

タイトルはなし。本文には、虹!と一言。添付ファイルを開いたら、綺麗な虹の写真。わたしは窓に駆け寄った。七色のアーチが空に、はっきり架かっている。わたしも写メを撮りながら、冬花ちゃんを呼んだ。

「見て見て冬花ちゃん!」
「わあ、すごい虹」
「なんか元気でるね。早く片付け終わらせて買い出し行こう」
「うん」

そう、今日は練習には参加せず、片付けが終わったらそのまま買い出しに向かう予定になっていた。わたし達はさっさと片付けを済ませ、買い出しに向かった。




「ねえ、携帯鳴ってない?」

冬花ちゃんがわたしに言ったのは、買い出しの帰りのバス。そう言われてみれば鳴ってるかも、と思って鞄から携帯を出すと、綱海さんから5通メールがきていた。

「うわあ」
「どうしたの?」
「大切な用事だったかも」

またやらかした、と思いながらメールを開くと、拍子抜け。全部虹のような、写メのメールだ。犬、花、宿舎、監督、変顔の円堂くん。なんだこのノリ。わたしがどうしようかと思っていたら、横から見ていた冬花ちゃんがくすくす笑った。

「綱海さんはきっと、虹のメールに返事がなかったのが寂しくて、構ってほしかったのよ」

綱海さん、可愛すぎる。わたしはさっき自分で撮った方の虹の写メを添付したメールを、すぐに返信した。本文は、ありがとうございます、ハート。それを見た冬花ちゃんに、また笑われた。

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