コンコン、と合宿所の綱海さんの部屋の扉をノックする。

「綱海さん、久遠監督から連絡ですー」
「おー、入ってくれ!」
「失礼しまーす」

ガチャ。扉を開けると一番に目に入るサーフボード。ごちゃごちゃとした部屋の中で、一際存在感を主張していた。その次に、こたつ。なぜこたつ。

「あ、これな、俺ずっと沖縄に住んでたから寒さに弱くてさー!こたつは必須アイテムなんだよな!」

わたしがじっと見ていたからか、綱海さんが説明してくれた。まだ秋だし、沖縄が暑いとはいえ東京だってまだ半袖で過ごせる気温。寒さというには大袈裟すぎる気もするけど、まあ綱海さんの自由か。と、その次に目に入ったのが、ベッドの上に置かれた青いもの。

「…イルカ」
「イルカ?あー、ジョニーか!」
「ジョニー?!」

紛れも無いイルカのぬいぐるみを抱き上げ、綱海さんがにっと笑った。

「おう!フルネームは波乗りジョニーだけどな!」
「な、なみのりじょにー」
「俺こいつがいねーと寝れなくてさー!ちょっと恥ずかしいんだけどな、治んねーんだこれ。だから旅行とかいつも持ってくんだ」

イルカを抱く綱海さんが異常に可愛く見えてどうしようかと思った。みんなのお兄さんキャラだと思ってたのに、こんな可愛い一面が。

「恥ずかしいから、あんま言うなよ?」
「は、はい!秘密で!」
「サンキューな!で、監督の連絡ってなんだ?」

あ、忘れてた!

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