幸福な鼠達 | ナノ



ぼくのピカチュウが冬眠した。

マサラタウンを旅立ってからこんなことは一度もなかったのに、ある日突然ピカチュウは冬眠してしまった。ピカチュウが冬眠してしまったから、ぼくは仕方なしにシロガネ山を降りた。
ピカチュウを起こすのに温かいところに行こうと思ったのに、何故か一番に思い浮かんだのはグリーンのところで、気がつけば足が向かっていた。

マサラタウンで降りてお母さんも博士も全部通りすぎてただ無性にグリーンに会いたくてたどり着いたグリーンの元でグリーンはそこにいてただただグリーンはそこにいた。

「グリーン、ピカチュウが冬眠したんだ」

グリーンは何も言わず動かなくなったピカチュウをぼくから受け取って長い間触れてた。
すっかり黙していたグリーンはしばらくしてぽつりと言った。


「死んだんだ」


グリーンの手からピカチュウを抱き上げるとその体はひんやりとして昨日までの跳ねるような鼓動の音はせずに沈黙の中先のグリーンの声だけが頭の中で反響した。

「ピカチュウ、」

ピカチュウはもう鳴かなかった。
グリーンの言う通り確かにぼくのピカチュウは死んでしまったらしかった。


そういう生き物なんだよ


どこか遠くからのグリーンの声を聞きながら明日ピカチュウをポケモンタワーで寝かせてやろうと思った。

hibernate

110402


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