(※下品ですごめんなさい)






ここで、証明されたことが二つ。

青髭の旦那は最高にCOOLなことに、魔法だか魔術だかスゲエもんが使えて、雨生龍之介はそういう面白そうなものを前にして引く人間ではないってことだ。


もうひとつオマケに付け足しておくと、旦那は童貞かもしれない。


「なあ、ごめんって旦那。もうぱふぱふしようだなんて言わないからさ」
「……」
「ね?出てきてって」

ね?と小首を傾げた龍之介の今の外見は、常の龍之介のものとは大きくかけ離れていた。
やや短い橙色の髪、細身にすらりと伸びた四肢。そこまでは同じだが、常の薄い胸板は、確かな柔らかな膨らみを、女性特有の丸みを帯びている。つまり、現在の龍之介の性別は女である。かなり、綺麗な部類の。


どーしてこーなっちゃったかなー。

依然として、部屋に閉じ籠もってしまった旦那からの返事はない。

ただ、旦那の魔術でちょっと遊んでみたかっただけだったのに。ついでに、せっかく性転換してみたんだから、男心を良くわかる身としてはちょっとしたサービスしてあげるつもりだった。まさか、あんな反応……


「不潔です!」と顔を覆って部屋に逃げ込んだ旦那の姿を思い出す。まさかおっぱい見せたら泣いちゃうなんて。そういえば旦那、清純そうな子好きだもんなー。

「ねーごめんって旦那ー」

バンバンと、強めに扉を叩いてみてもやっぱり返事はない。
あーあ、朝になる前にこの家も引き払わないといけないんだけどなー。

まあ、旦那としても、あんな、私はチェリーです〜みたいな反応しちゃった手前、なかなか出てこれないんだろう。あ、そういえば、


「ねえ旦那!オレ今処女だよ!バージン!しょ〜じょっ!」


――瞬間、激しく扉が開いた。


大きな目をさらにギョロリと開いて旦那が出てくる。やった!と喜んだのも束の間、素早く伸びてきた骨ばった大きな手が肩に食い込んだ。


「……リュウノスケ」
「なあに、旦那?」
「しょ、……淑女は、そんな大きな声で処女処女などと連呼してはなりません!」


……んなこと言われても。

そのままヒステリックな叫びが続く。処女と聞いて旦那のどこかでスイッチが入ってしまったらしい。

「でも俺、元は男なんだけど」
「しかし今はしょ……女性であることには変わりありませんッ!」
「無理して処女、って言わないようにしなくても良いよ?」
「また言いましたねリュウノスケ?!」

なかなかに面倒くさい。
超COOLでマジリスペクトでめちゃくちゃ大好きだけど、いかんせん旦那は処女厨だ。
しかも自前でかなりの処女理論を持っていて、今の俺も一応、処女ってことで適用されてるらしい。処女とかただ膜があるだけじゃん、とか思うけど、そんなこと言ったらしばらく口きいてもらえなくなりそうだから黙っておいた。

「ですから、リュウノスケッ、」

処女が処女で処女になって処女処女処女処女。貞節がどうこうとか放っておけばいつまでも続きそうな処女談義。
そんなに旦那に好きになってもらえるなら処女になりたい。あ、今は処女か。けどさ、


「俺、処女じゃなくなっていいから旦那とエッチしたい」


耳まで真っ赤とか超cuteだよ旦那!







:裂けたっていい
120423
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