「仁王ー、うち仁王と遊びに行きたい」
「構わんけど、お前さんは服をしっかり着てくれ。誘っとるようにしか見えんからの」
「? 遊びに誘っとるやん」
「……まあええ、とりあえず服の端を縛って上げるのを止めんしゃい」
「おん!」
言われた通りに服の端を解き、お腹が見えない様に隠した銀音。
仁王はピヨ、と呟き銀音の頭を撫でた。
「銀音ちゃんは何処に行きたいんか?」
「んっとなー焼肉食べに行きたい!」
「……銀音ちゃんらしいけど、もうちょっとムードっちゅうもんを考えんか?」
苦笑混じりに仁王が言うと、銀音はぷりー、とごまかす様に笑った。
「うちは肉食いたいんやもん」
「…ホンマに俺と銀音ちゃんは付き合っとるんかのう」
「付き合っとる付き合っとるー」
「銀音ちゃんの愛が軽いナリ」
「ええから行くでー」
泣き真似をする仁王を引きずる銀音。
「銀音ちゃん、髪は引っ張るの止めんしゃい」
「じゃあ手ぇ繋ぐで?」
「大歓迎じゃ」
さりげなく恋人繋ぎをする仁王。
「銀音ちゃん手、ちっこいぜよ」
「金ちゃんも同じくらいやでー」
「今はじゃろ」
にこにこと笑う銀音の手を軽く引っ張り焼肉屋へと歩く仁王。
「2時間食べ放題で三千円のチケットもあるし此処かのう」
「いっぱい食うで!」
「よし、此処は奢っちゃるよ」
「仁王大好きやーっ!」
きゃー!と嬉しそうな声を上げて抱き着く銀音。
「(そのうち食べ物で誘拐されそうやの…)ほら、早く入るけえの」
「おん!何食べよかな」
ウキウキした足取りで焼肉屋へと仁王の手を引っ張りながら入る銀音。
「とりあえずカルビでも食べるナリよ」
「カルビ10人前やー!」
「銀音ちゃんよく食べるのう」
「仁王の分も入っとるで?」
注文して、二人はテニスのプレーについて話し始める。
「今日な、うちボレーの練習やったんやけど…」
「それなら手首をこう捻ってみたらどうじゃ?」
「あっ成る程!やったら体はこう体制作って…」
「よう考えたの。……お、カルビ来たようやの」
「早う焼くで!」
カルビが来て焼き始める二人。
「うちタレがええ」
「俺は今日は塩の気分じゃ」
「後で塩も食べたい」
「食べさせちゃるナリ」
「約束やで!」
ドンドン食べて行く二人。注文も追加でドンドン頼み、気がつくと2時間が経っていた。
「もう2時間か。いっぱい食えたんか?」
「おんっごっつ食べたで」
「こん後はどうするかの、銀音ちゃん」
「んー…テニス?」
「ホンマに好きやのう」
感心したように声を漏らし、仁王はラケットバックを肩にかけ直した。
「仁王は好きやないんか?」
「プピーナ」
「ぷぴーな!」
仁王の真似をして、銀音は仁王に飛びついた。
「じゃあストテニにでも行くかの。どうせ部活帰りじゃ、他んやつにも会わんやろうし」
銀音の頭を撫で、仁王は歩き始めた。
「試合…はきついから軽いラリーでええな」
「おんっ、早うやるで仁王!」
「分かっとる」
ラリーをして仁王と銀音はコートから出た。
「……銀音ちゃん、軽いラリーだって言うたんやけど」
「やって、仁王とラリーするん久々やったんやもん」
凄いスピードで打ち合った二人はそのまま帰って行った。



―――
聖様リクエスト『金ちゃん姉と仁王でイチャイチャ』でした。
仁王とイチャイチャなので全国大会後に仁王と付き合い始めた設定です。
聖様のみお持ち帰り可能となっています。


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