コメント来たりて心揺さぶる
 

「あ、コメント来てる」
手塚君とコラボして数日が経った。
結構伸びたな…流石零。
「え、ええぇぇ!?」
コメントをチェックしていると凄い人からコメントされてた。
「『すわ』さんから…!?ちょ、電話電話!」
すわさんと言うのは五輪Pだ。
元々『すわ』って名前でアップされてたんだけどによ生で耳に五色のピアスを付けてるって言ってから五輪Pって呼ばれるようになった人だ。
『もしもし、金代か?』
「あ、手塚君!見た?動画!」
『落ち着け、片言になっている』
「あ、ごめん…」
『いや、謝る必要はない。…動画はまだ見ていないな』
「本当?あのね、すわさんからコメント来てる」
ガタンッゴッ。
電話の向こうから凄い音がした。
「…大丈夫?」
『あ、ああ…問題はない』
「なら良いけど…あ、読み上げるね。【新曲コラボで歌ってくれてありがとうございます、まさか二人が歌ってくれるなんて思ってなかったんで嬉しいっスわ】…だって」
『……そうか』
あ、何だか凄い嬉しそうな声な気がする。
手塚君の感情を数日で分かるようになった私は手塚君マスターになれる気がする。
てかなる。
「返事しとくね、」
『ああ、頼んだ』
電話を切って、私はパソコンの画面を睨んだ。
「うーん……あ、とりあえずすわさんのページに飛んでメール送ろう」
【こんにちは、刹です。コメント読ませていただきました。こちらこそすわさんが聞いてくださるとは思ってもみませんでした。本当にありがとうございました。刹】
「…うん、こんなものかな」
猫被り?
知るか、そんなもの!
顔合わせたことないけどこんな歌を作れるすわさんだ、絶対良い人だろうし。
嫌な人には私冷たいけど良い人にはちゃんとした態度取るし。
「あ、新サドスティク・エナジーやらなきゃ」
新サドスティク・エナジーとは、新感覚ゲームだ。
元々サドスティク・エナジーってゲームがあった。
そのゲームは隠れた名作と言われるゲームで、大した売上はなかったけど内容は濃くてサドスティク・エナジーをやった人は口を揃えて言った。
『こんな新感覚のゲームはやったことがない』と。
それで今回、そのサドスティク・エナジーのシステム面を更に簡潔化してゲームの読み込みスピードを上げて新たなシステムを導入した新サドスティク・エナジーが発売されたのだ。
大まかなあらすじとして、主な目的はS魂と呼ばれるエネルギーを集めることだ。
人の中に眠るS心を引き出して、S魂を手に入れる。
そのシステムがまた一風変わっている。
……とまああまり考えていてもゲームが出来ないからここら辺で説明は止めてゲームをしよう。
「あー…すっごい楽しみ」
ワクワクした気持ちで私はコントローラーを握って、テレビの画面を見つめた。
















「まさか、あんなところでケビンがS魂を出してくるなんて……っ!」
結果、見事にはまりました。
何て言うか…意外性抜群だった、むしろその言葉しか思い浮かばない自分がいることに愕然とした。
「このゲーム……出来る!」
少し休憩を入れようとふとつけっぱなしにしていたパソコンに気付いて私は操作を始める。
「消しとかないと……ん?メールが来てる…?」
カチカチ、とメール画面を立ち上げると私は片手に持っていたコントローラーを落とした。
「え……すわさんが、会ってみたいって…?」



前へ 次へ

 
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -