結局絆されててて
 

しかしこの国光君ノリノリである。
今日はネトゲやるよネトゲ。
柳君に誘われて始めて見たよ!
そんな訳でネトゲデビューする訳ですが隣にいらっしゃる国光君やり込んでるね!
限定アイテム装備されとります。
流石国光君そこに痺れる憧れるう!
「此処でも零って名前なんだ」
「ああ、これならば分かりやすいかと思ってな」
「零さんマジ零さん」
私の言葉に国光君が若干照れたように頬を掻いた。
「けどによ廚によく気づかれなかったよね…。何で?」
「意外と人は周りに目を向けないからな。まして此処はネトゲだ、名前が同じにだけの人間はいくらでもいる」
「…や、柳君」
「何だ、今の説明で分からなかったのか?」
いやそうじゃなくて何で此処にいるのかが聞きたいだけですはい。
「柳…否、教授は俺から誘わせてもらった」
「零さんが!?」
「ああ。…嫌、だったのか?」
あ、国光君が落ち込んで…!
「そんなことないから!大丈夫、ちょっとビックリしただけだし!」
「そうか…」
ホッとしたように溜息を吐く国光君。
そしてそんな私達の様子を開眼して見ている柳君。
「…何か?」
「………リア充乙」
え、今何かした!?
「それでお前の名はどうしたんだ?」
「普通に刹のまんまで通した」
どうよ、と私が言うと二人が溜息を吐いた。
「…何だか俺は、疲れた。今日は落ちさせてもらおう」
言うだけ言って柳君は帰っていった。
…え、何だったの?
「いいか、刹。相手にによ動の刹かと聞かれても絶対に違うと答えろ。いいな?」
「イエッサー!」
よく分からないけどとりあえず胸に刻み込みました隊長!
「次にこのゲームでのレベル上げだが…一人でやるよりパーティを組んだ方が断然いい。俺がいるときは俺を誘ってくれ。それから、上級エリアには近寄らない方がいい。あの辺りはPKの巣窟だ」
「え、マジで?」
「ああ、本当だ」
国光君の言うとおりにしておこう。
むしろレベル上げても行きたくないね!
「まずは初心者用のエリアにでも行くか。それと一つ聞きたいのだが…」
「何かな零さん」
「…エディットは男なのか?」
「うん」
「……そうか」
微妙そうな顔をされた。
だって男のが強そうじゃまいか!
「だってほら、背中を預け合えるとか憧れるんだよね…!」
主に国光君とか国光君とかとね!
「刹…!だが俺は、刹のことを守りたかったのだが」
「零さん…!」
やだ何この羞恥プレイ。
そして周りから「はいはいリア充リア充」って声が聞こえる…!
「とにかく今日は油断せずにレベル上げだ」
「了解であります!」
このときの私は、忘れていた。
国光君はゲームのレベル上げのときに凄まじく鬼畜だったことを…。



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