暇人Xズが現れた!
 

「国光君!今日はデートしようデート」
「………………」
「あれ、国光君?え、ちょっ何処見てるの…!?」
前略、国光君と誕生日デートをすることになりました。
はあい、国光君と親友な泉李です!
今日は国光君が誕生日だと乾君から聞いてデートwwwをすることになったよやったね!
まあデートって言うよりも遊びに行こうよ的な意味合いのが強いけどね!
気楽に遊ぼう気楽に。
そんな訳で水族館に来てみた。
動物園より水族館の方が国光君いいかなって思ってこっちにしたよ。
にしても国光君いつもより表情が硬いな…緊張してるのかな?
……いやないない。
私といて緊張とか絶対ありえないよね!
ごめんよ国光君、こんな変なやつで!
全力スライディング土下座するよ………。
本当、なんかごめん。
「国光君あっち熱帯魚のエリアらしいよ!……あ、ごめん今弦ちゃんと国光君の『淋しい熱帯魚』が脳裏を過ぎったよ…」
「………油断せずに行こう」
「…………国光君、緊張してない?」
「そんなことはない」
いや大分緊張してるよね…?
動きが悪すぎるよ!
とか言いながらのイルカショーである。
イルカ可愛いな畜生…!
きゅっきゅっ、と愛らしく鳴きながらジャンプするイルカを無言ながら楽しそうに見ている国光君。
ただし表情は殆ど動いてないから無表情に見えていて周りの小さい子達が泣きそうになっている。
けど国光君に言うと国光君が悲しそうな顔をするから敢えて気付かないフリをしてイルカショーを楽しんだ。
「次はペンギンでも見に行こうよ」
なんて言いながらさりげなく周りの子達に気付かせないよう移動する。
「そういえば泉李、気になっていたのだが」
「ん?何々?」
「先程から誰かに見られているような気がしてならないのだが……」
「え、まっさかー。だって私達を見るより水族館を楽しんだ方が有意義じゃまいか!きっと気のせいだよ」
……まさか乾君達?
いやでもまさかそんなことはないよ、…ないよね?
若干不安になりながらも私は国光君と触れ合いペンギン広場に着いた。
何人か並んでいて写真を撮っていたりと随分楽しそうだ。
「国光君国光君、ペンギン抱っこで写真撮ろうよ」
国光君が抱っこしてさ。
私の待受それにするからマジで。
………何このリア充っぷり!
あれ可笑しいな…私ってリア充だったっけ?
「あ、国光君あっち鮫とかいるって!ヴォオオオイ!」
「泉李、周りの迷惑になっている」
「サーセン」
海洋エリアSUGEEEEE!
沢山の魚達が泳いでいる。
………………持ち帰って刺身とかに出来ないかな?
「……にしてもあの二人ほんっとに焦れったいっスよねー、乾先輩!」
………ん?
今の声は桃城君の声?
「そうだね、…あれ以上の進展を望むならやはり夜景の見えるレストランか何かでいいムードにするしかないな」
「あ、それだったら姉さんがいいお店知ってるって言ってたよ」
「俺はいい絶景スポット知ってるにゃ」
………………え、何やってるのあの人達。
コソコソ話している青学男子レギュラー陣達を見つけて私と国光君は無言で顔を見合わせた。
とりあえずすることは一つである。
「……青学男子レギュラー、罰としてグラウンド30週だ!」
国光君の声にレギュラー陣はしまった、とばかりに顔を見合わせた。
「き、きききき奇遇だな手塚」
「乾、吃り過ぎて何が言いたいのか分からない」
「丁度手塚はいなかったから誘えなかったけど皆で水族館に来てたんだ」
とりあえず言いたいことが一つ。
最初から出て来て一緒に廻ればよかったじゃまいか…!



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