力加減にはマジ気をつけなはれや!
 

ばったりとね、会う辺り私がテニス部ホイホイみたいになって来てるんだよねきっと。
「此処何処やあああ!」
えぐえぐと泣く赤髪の男の子。
……に何故かしがみつかれてる、痛いです。
骨がミシミシ言ってます安西先生。
マジで何事なの。
私ただ歩いてただけだよね?
久しぶりに一人だからゲーセン巡りでもしようかと思って出歩いた結果がこれだよ!
「痛い痛い痛い痛い痛い痛いひっひっふーもう何なの国光君助けていや今いないじゃまいか…!」
「…ぐすっ」
ぎゅうううう。
「痛いいいいいい!」
どうしよう悪循環!
「と、とりあえず話し合おう!話し合えば分かる!」
何とか引きはがそうと必死で腕に力を込めた。
…外れない。
泉李ハニゲラレナイ!
…なんてふざけてる場合じゃない!
「何やっとるんや、金ちゃん!」
べり、と赤髪の男の子が引きはがされた。
こ、この声は…!
「謙也君んんん!何か久しぶり!」
「おわっ…て、何や金代やんか」
私のタックルに微妙に揺らいだ謙也君だけどしっかり受け止めてくれたよ!
やったね!
でも段々と顔を真っ赤にし始めたよ!
「は、破廉恥な…!」
「わあ、何処の甲斐の若虎さんだよちくしょー!」
このムッツリさんめ!
とだけからかった。
「……やなくて!平気だったんか金代!」
「辛うじて?」
「何で疑問形!?」
うん、相変わらずいいツッコミのキレだ。
忍足君もツッコミやるけど謙也君のツッコミには敵わないよね!
「まあそんなじゃれあいは置いていてだね…」
「おい」
「この子誰?謙也君の隠し子?」
「いやちゃうし」
「やだ謙也君不潔…!私のこと弄んでたのね…!」
「そんな…違っ俺にはお前だけなんや…!………って何でやねん!」
「ナイスツッコミ!」
ノリがいいよね謙也君。
だから好きよ。
「ほら、金ちゃん挨拶し」
「遠山金太郎言います!よろしゅうな、姉ちゃん!」
……!
こんなにも向日葵が咲き誇りそうな純粋な笑顔を今まで見たことがあっただろうかいやない。
「金代泉李って言うんだ。よろしく遠山君!」
「おん!あ、金ちゃんでええで姉ちゃん!」
きゅん。
「………ねえ謙也君」
「な、何や?」
「金ちゃん、うちの子にしたら駄目?ちゃんと面倒見るから」
「いや駄目に決まっとるやろ!」
凄い勢いで金ちゃんを後ろに隠された。
「なあなあー何で姉ちゃんを隠すん?」
「いや金代を隠しとるんやなくて金ちゃんを」
「ワイは姉ちゃんと話したいんや!」
何このわんこ。
本当可愛いな…今ショタコンの気持ちが分かった気がする。
「よっしゃ私と遊びに行こうか今ならタコ焼き付きね」
「行く!」
泉李は金ちゃんを手なずけた、てってれー。
「ちょ、俺は!?」
「あー…もしもし忍足君?」
「侑士呼ぶんか…俺、嫌なんやけど……」
「随分嫌われてるね忍足君プギャー」
『ホンマ何なん自分ら、俺は今脚線美を追求しとるんや。邪魔せんといて』
「…………うわあ」
「………スマン侑士、今から絶縁してもええ?」
『そないに!?』
「ぜつえんって何や?」
「家族の縁を切ろうってことだよ金ちゃん」
「へー。じゃあ丸い眼鏡の兄ちゃんは謙也の従兄弟やなくなってただの知り合いになったんやな!」
やだこの子。
純粋過ぎて言葉が凶器になったよ忍足君涙目。
忍足君頑張れ超頑張れ。
応援はしてる。



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