勇者クニミツの攻撃!
 

「く…国光君…」
何とか白石君の魔の手(毒手)から逃れて帰って来ました青春学園!
よろよろになりながらの帰還に国光君が心配そうに頭を撫でてくれました。
「国光君んんん!」
「…よく分からないが、大阪は大変だったみたいだな」
「うん……危うく帰ってこれないとこだったよ…」
いや本当に。
あのとき財前君から電話来なかったら確実に捕まってた。
…あれ、でも状況を把握して的確に逃げる場所を教えてくれた財前君って一体…?
あ、気にしたら負けですね分かります。
「お疲れ様、泉李」
いやもう国光君マジ癒し!
癒し系男子!
ぎゅうぎゅう抱き着いてたら周りがざわついてきたから離れた。
…私と国光君のランデブーを邪魔するのは誰だー!
「…………」
「…………」
「…………」
クラスの皆さんだった。
ガン見だよガン見。
…見せもんじゃねーぞこんちくしょー!
てかざわついてるし…!
「あれって噂の……」
「やだ本当だったんだ…私狙ってたのにー」
本当に何なんだ一体。
てか噂ってあの恋人疑惑のやつ?
あれ、てっきりなくなったかと思ってたよあはは。
「国光君私クラス戻るよ……」
「大丈夫か?」
「うん、大丈夫。動物園のパンダの気持ちがよく分かっただけだから!」
「(それは大丈夫とは言わないが…)……そうか」
国光君が微妙な顔をしながら頷いた。
…国光君が冷たい!?
嘘嘘、国光君は優しさの塊さ!
私にツッコミをしないでいてくれる優しさを見せてくれる国光君が大好きです。
「それじゃあまたお昼に、国光君!」
自分のクラスに戻って悶えた。
…あーもう国光君マジ国光君!
周りの目がドン引きした目とかそんなことないよ!
昼休みが楽しみすぐるヤフー!
とか言ってたら昼休みが来るまでが長い…!
そうかこれが孔明の罠か。
うぐぐ…私に萌えという名の癒しをください。
「ジレンマあああ」
「先生ー金代さんが可笑しいです」
「いつものことだからほっとけー。金代は廊下に立ってろ」
「だがことわ…すいません嘘です立ってます!」
廊下に立たされた。
「何でだ解せぬ」
ぶつくさ言ってもしょうがないのは分かってる。
分かってるけどどうにもならないことはあるんだよ。
国光君への友愛を叫びたくなったりね!
え、何か違う?
「先生、私恋しちゃったんだ」
「金代が恋…!?おいおい今日はエイプリルフールじゃないんだぞ」
「どんだけ私が恋しないとか思って…まあ嘘だけど!」
「ほらな、やっぱり嘘だった」
授業終わって先生にそう言ったら案の定の答えが返ってきた。
何だろう目からテニスボール。
「国光君んんん!私女の子っぽくない!?」
昼休みにクラスに来てくれた国光君と屋上に来て泣きついた。
「女の子っぽいかどうかか?」
国光君は不思議そうに首を傾げたあとぽつりと呟いた。
「…泉李はそのままで充分魅力的だと思うが」
「!…国光君もうマジ愛してる!」
国光君の優しさに涙が流れそうになりました。
こんなに優しい人が私の親友とか嬉しすぐるよ…。
あれだよね、私の周りにいる人がSの集まりだから国光君が癒しNo.1です。
No.2は謙也君だと思われ。
あの子ヘタレだったよ。
案内してるとき緊張してたからね、私と話してるとき!
しかしそれを可愛いと思ってしまう私は既に重症ですね分かります。
「そういえば国光君、財前君の家でレコーディングしたよ」
「もうやったのか。早いな」
国光君が感心したように呟いた。
「多分今日辺りに財前君が動画アップしてると思うよ」
「財前も相変わらず仕事が早いな」
「財前君どんなふうにMixしたんだろうね…まだ『投稿するまでのお楽しみですわ』って言われて見させてくれなかったんだよね…!」
「そうか。それはそれで楽しみだな、泉李」
国光君の微笑み攻撃!
泉李に千のダメージ!
泉李は倒れた、賞金百円を手に入れた!
頭の中でテロップが一瞬流れた。



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