何が君をそこまで熱く以下略
 

「とまあこんなことがありまして」
「…いや、何で俺のところに来たんか聞いとったんやけど」
「ああ、そっちか…だってさだってさ。ちょっと騒いだら『作曲の邪魔っすわ』とか言って放り出されたんだ…」
「ちなみにどんな風に」
「ちょっと歌っただけなんだ、本当に。まだ出だしのとこしか歌ってなかったのに…!」
はあい最近何だか皆の態度が冷たく感じる泉李ちゃんだよ!
何でそう思うのかって?
それはほら…うん、大人の事情ってやつさ!
そんな訳で調度逆ナンされてる白石君を救出してマックに連れ込んでみたよ。
そのとき白石君が何か栄養バランスがどうの言ってたけど総無視したよ!
「金代さん…それは自分、光に気に入られてるからちゃうかな」
「気に入られてる?…まっさかー」
「金代さんは分かっとらんなあ…ええか?光はなあ、ツンツンデレなんや。今金代さんに見せとるんは二つ目のツンや、もうすぐデレに移行する寸前のツンや」
「なん…だと……」
そうだったのか…いや財前君はツンデレだってことは理解してたけど。
私に対してはツンもデレもなかったというか…。
うん、まあ毒舌ではありました。
「にしても白石君普通に私と話してるけど何?平気になったの?」
「あー…何や、あれや。金代さんの奇行に慣れたというかなんというか…。女の子として見れなくなったいうんかな…」
「何それ酷い」
サラリと傷付くことを…!
私だって傷付くだかんなこのやろう!
「まあええんやないかな。ほら、俺も気軽に話せるいうか」
「えええ…」
わあ白石君てば女の子泣かせ!
いやまあ逆ナン苦手みたいな感じだったからあれだけどね、仕方ないっちゃあ仕方ないんだろうけど…。
うぎぎ解せぬ。
女の子にモテる=ハーレムの方式しか浮かびません隊長。
名前風に言うとモテール=ハーレムみたいな。
あれ、何を言ってるんだろう私。
駄目だなんか混乱してる国光君に会いたい。
「ていうか何で逆ナン苦手?女の子にモテモテとかけしからんもっとやれ」
「え、それ聞くんか。いやまあええけど」
「いいならいーじゃん」
シェイクをズルズルと吸うとはしたないって怒られた。
…うん知ってる!
「…正直おもろないと思うんやけど」
「面白くないかもしれないのは百も承知だけど?」
「金代さん性格悪いって言われん?」
「一度もないでありんす。…むしろ周りのが酷かった!」
「あー…うん、そか」
あ、今憐れみの目で見られた。
「で、話して話して」
「おん。…俺の家、姉ちゃんと妹がおるねんけど二人とも肉食系なんや」
「肉食系なんだ」
「せや、そんで俺は女は強い、怖いもんやみたいなのを刷り込まれてな」
「え…(刷り込みとか何それ怖えええ!)」
「それで若干女の子が苦手になっとったんやけど逆ナンにあって断りきれずに一緒に遊んでもうたんや」
「へ、へえ……」
「地獄やったわ……」
遠い目をしてる白石君には悪いけど私には何とも言えないよ…。
「いやホンマ…男としてのプライドなんかを失いかけたいうか……」
あ、トラウマ踏んだっぽい。
「せやから俺は二次元に走ったんや…!」
……ん?
何か方向が怪しくなってきたんだけど……。
「そう!俺の理想は千鶴ちゃん!あの子が俺の嫁やねん……!」
「ちょ、白石君…?」
「んんーっ絶頂!」
やりやがった/(^p^)\
マック中の視線を総舐めだぜ…じゃねええええ!
いや待てよ、『絶頂』…?
「まさか…エクスタシー侍!?」
だってエクザムだよね…え、ええええ?
絶頂とか言う人エクザムしか思い浮かばない自分マジ乙。
だって千鶴ちゃん嫁発言してたし。
「……『白石さん、大好きです!』」
「! 千鶴ボイスktkrー!ちょ、録音させてくれへん!?俺の千鶴うぅぅぅ!」
白石君が痛い…痛いよ。
千鶴ちゃんボイスで話し掛けた結果がこれだよ!
てか白石君の性格の面影がない…理性がログアウトしました。
「まずは目覚ましボイスやろ?それからお休みボイスやろ?あとは…せや!メールの受信と電話やろ、それに告白ボイスもや!」
「白石君もちつけ。やったげるからもちつけ」
「いや大丈夫や問題ないでえ…」
「鼻息荒いよ白石君んんん!」
千鶴ちゃん絡むと本当に豹変するよね白石君!
いやエクザムもそうだったけど!
薄桜鬼の実況やりながらよく言ってたもんね…!
『千鶴ちゃん攻略可能やったらいくらでも出すわ』とか『何で千鶴ちゃん視点なんや…!俺視点が欲しい』とかね!
正直に言おう。
何がそこまで白石君を熱くするんだ…。
いや確かに千鶴ちゃんは可愛いけどね!?
けど白石君の愛の注ぎ方が尋常じゃないと言いますか…。
「千鶴ちゃんの魅力は一日じゃ語りきれんわ、…金代さんいつまでこっちおれるん?」
「いや明日普通に学校なんだけど」
「サボったらええやん」
「よくないよ!私が国光君に会えないジャマイカ!」
むしろ白石君サボる気満々か!
皆勤狙ってるとか謙也君から聞いてんだかんな!
「そんなんオサムちゃん脅し…頼んだら大丈夫や!」
「白石君が黒石君だああああ!」
何白石君て黒属性だったの!?
……あ、いや違うや。
白石君は千鶴ちゃんが絡んだときだけ黒属性にもなれるんだね。
そんなことを知りました。
…帰りたい。



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