ツンツンデレ子!
 

「財前君久しぶり!」
「何やテンション高ないですか金代さん」
そりゃあ久々に財前君と会ったからね!
財前君相変わらずのクールさだよね素敵!
そして今日は国光君は部活でいないよ!
……国光君いないのがちょっと寂しい今日この頃。
「そういえば聞きましたよ、白石部長に会うたって」
「あー…うん、まあね」
まあ会ったけど絶対女の子が苦手だよね白石君。
案内してたときも悲しいことに二メートル以上は寄ってもらえなかったからね。
…まあ予想は何となーくしてたけど。
だってさ、最初会った(?)ときは逆ナンされてて凄い嫌そうな顔してたしね!
「まあ部長の周りは肉食系女子が多かったんスわ、苦手になってもしゃーないっスよ」
「あーそんなだったんだ…てゆーか財前君、いい加減善哉食べるの止めようか。何杯目なのそれ」
「17杯目っス」
いやそんな自信満々に言われても。
「白石部長も金代さんのことちゃんと知れば避けたりすることはないと思いますわ、ヘタレ謙也さんとは違うんで」
「謙也君に対して酷い言いようだよねそれ」
「事実っスわ」
……まあヘタレワンコな雰囲気はバリバリだったけどさ、謙也君。
流石に先輩相手にそこまで言えるのは財前君だからこそだよね。
「まあ白石部長のガードは堅いんでそこまでこぎつけるんは大変やと思いますよ。恋シュミで言うと他全員のルートをクリアした上でその周を全員分ある程度友好度上げた状態やないとフラグが立たんみたいな」
「うわあ何それ鬼畜!」
それなんて鬼畜ゲームなの。
私ならクリア出来ないんだけど、むしろ今此処から選択肢が欲しいよ財前君。
「…ま、金代さんあんま女らしくないんで。そのうち意識されんようになると思いますよ」
無表情で善哉を頬張りながら言う財前君。
…それは褒め言葉と取っていいのかな、それとも馬鹿にされてると取ればいいのかな?
「あん人、二次元しか愛せへん残念な人やし。確か薄桜鬼の千鶴ちゃん俺の嫁言うてはりましたよ」
「千鶴ちゃん可愛いよね」
「…まあ可愛いんは認めますわ、俺の趣味やあらへんですけど」
「え、財前君千鶴ちゃん好きじゃないの?」
意外だったんだけど。
「ま、人それぞれってことですわ」
やれやれ、といった様子で財前君が箸を置いた。
「あ、これ謙也さんにツケといてください」
うわあ…財前君肝が据わってるね。
私ならそんなこと出来ないよ……そこに痺れる憧れるう!
結局20杯の善哉を食べた財前君と1杯の白玉あんみつを食べた私は例によって例の如く財前君の家でレコーディングが始まったのだった。
「刹さんもうちょい声高めの方がええんで、歌い直しお願いしますわ」
「うん、でもとりあえず一回休ませて。喉が微妙に嗄れてるから」
「普段から声出さんとそうなりますよ」
「…仕方ないじゃん、基本的に学校じゃ猫被ってるんだかんね?」
「まあそうやろうとは思うとりましたけど。…金代さん、仲良うなるまで警戒心強い猫みたいでしたわ」
「いやいや、財前君の方が警戒心強い猫みたいだったよ」
うんだって、人になかなか懐かないとことか…ねえ?
「ま、俺も俺でいろいろあったんスわ」
想像が着かない…だと…!?
まあ昔っから毒舌だった訳じゃないだろうけど…!
でもなんか財前君は口から生まれたようなイメージがあるよ!
とか言ってみたけど私的には財前君はツンツンデレ子だから一度懐くと目茶苦茶可愛くなるんじゃないかと思ってるよ。
しかし私にデレる日は来るのだろうか…。
来れば良いけど今のところ一度もデレ期は来とらんのですよ。
偉い人にはそれが分からんのですよ。
とか言ってみたけど財前君のデレ期はいつ来るの…どういうことなの…。
謙也君にも来てないらしいからね!
一番(謙也君談)仲が良いのにツン期しか来てないらしいよ、てか財前君の攻略難易度がC級な件について。
詳しく話そうじゃないか。
ちなみに柳君と白石君が攻略難易度S級だと思うよ、うん。



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