計画通りなゲーム実況
 

「金代泉李です。によ動で刹として活動してます」
「手塚だ。によ動では零として活動している」
「真田弦一郎、その…『たまらん皇帝』という名前でによによ動画で活動している」
「柳蓮二、『かまいたち』という名前でによによ動画で活動をしている」
「え、ちょっと待って。今なんか凄い言葉が聞こえた気がしたんだけど」
気のせい…じゃないですよねすいません。
だってたまらん皇帝って…かまいたちって…えええ!?
有名人再び発見だよ!
たまらん皇帝といえばあの声が素敵で力強いっていう…しかも最近はどんな役でも感情輸入してこなすし。
…聞き覚えあるとは思ってたけど、まさか弦ちゃんだったとは。
尚且つ柳君はあのかまいたちだし。
有名なゲームの実況さんなんだよね…最初に実況したゲームは『かまいたち〇夜』なんだけど、攻略見ないで冷静な推理をした上に今後の展開予想で動画を盛り上げたりして。
しかも展開予想は殆ど外れなかったからね、マジ凄い。
しかも不思議なことに、かまいたちがゲームやってるとこ見てると自分も段々ゲームがしたくなってくるっていう症状がによ動内で出始めてるんだよね…。
あと忘れちゃいけないのがかまいたちの暴走。
いきなり突拍子もないことするからね、例えばあえて最弱装備でラスボスに挑んで勝つとか…うん、あれは凄かった。
………本当に天は二物を与えるんだね…主にテニス部に。
「あばばば…く、国光君この二人もによ動やってたんだ…!」
「ああ。それから、以前話した不和の惑星を譲ってくれた友人は柳だが」
な、んだと…!?
「カルチャーショックってこれのことか…!」
「何故文化の違いなんだ」
「え、そんな意味だったんだ」
「金代は馬鹿、と…」
「あれ、柳君が何かノートに書き込んでるよねそれ。何それ、不吉な単語も聞こえてて怖いんだけど」
柳君がやっぱり怖いんだけど。
というか勝てる気がしねええぇぇ!
「金代………」
「うんごめん弦ちゃんそんな憐れなものを見る目で私を見ないで泣きたくなってきたから」
ノンブレスで言い切ると弦ちゃんはスッと目を逸らした、無言で。
心遣いが痛いよ、ママン……!
「あ、それじゃあ柳君があの例の不和の惑星を3つ手に入れた人だったんだ」
「…まあ、な」
あれ、何か歯切れが悪い…?
「む、もしや蓮二。あのとき赤也に渡していたのは」
「ああ、あんなにキラキラした目でサンタはいると信じきっている赤也がクリスマスに不和の惑星が欲しいからサンタに頼む、などと聞いていたからな…恐らくは手に入らない筈だ。あれは既に人にあまり知られていない店にしか置いていなかったのだからな」
うーん…赤也君とやらが誰かは知らないけど、不和の惑星が発売されたのが去年の10月。
で、売り切れ続出で追加販売の受注に会社側が対応出来なくなったのが12月の始め、だったよね確か。
……ああ、それじゃあクリスマスにゲームを手に入れるのは無理だねそれ。
追加販売始まったの今年の2月だったし。
「そうなることは予想がついていたからな…一応取っておいてもらっていた」
柳君すげえ。
そんな数ヶ月先のことまで予測出来るんだね……!
「ん、じゃああのゲーム展開の予想は…?」
「ああ、業と外していた」
「!?」
わ、業と…?
「あまりにも展開を当てていては面白くないだろう?」
柳君はエンターテイナーだと思ったまる。



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