開眼怖い
 

「………」
「………………」
オッスオラ泉李!
今日は新発売のゲームを買いに来たんだ!
ゲームを買う為にお金を貯め続けてきたんだぜ!
何かオラ、ワクワクすんな!
………してねええええええ!
ワクワク出来ないよ!
だって隣にガン見してくる糸目の人がいるんだもん!
「……確か、去年の二学期までうちの学校にいた…」
あああばれてらっしゃる!
そうです私中二の9月まで立海に通ってました!
ゲーム大好きな脳持ってる私でも知ってるよ、柳君のことは。
いや本当人気あったからね。
コートの周りは魔物が住んでるの状態だから。
でも意外なのは柳君がこんな神奈川と東京の境目にあるこのゲームショップにいることだから。
だって柳君ゲームしそうにないし。
「あ、はは…そういえばどうして」
「此処にいるの?と、お前は言う」
……うわあああエスパー?
「エスパーではない、データだ」
「え、何で口に出してないのに分かるの怖い」
いや本当に。
だって立海にいたとき関わったこともなかったよね、何これストーカー?
「敷いて言うならそうだな…お前は、弦一郎という男を知っているな?」
「弦一郎…ああ!老け顔の弦ちゃんか!」
でも正直弦ちゃんとは図書室でしか会ったことないから知らないんだよね、何の部活やってるかとか。
だって興味ないし!
「でも何で弦ちゃんの名前が出て来て…」
「(老け顔…)ああ、弦一郎はテニス部だからな」
「嘘ん。止めてよ笑えないブラックジョーク」
「いや事実だ受け入れろ」
嫌だよそんなジョーク。
だって弦ちゃんは剣道が似合う日本男児ジャマイカ!
いやでもどうなんだろう、弦ちゃん。
引っ越しも告げずに来たから怒ってる気もするんだよねうん。
「ちなみに、弦一郎は怒ると女子だろうが容赦なく平手を頬に打つ」
「何それそんな情報要らない」
会いにくくなったよその情報!
……それよりも、何で頭脳明晰な柳君がゲームショップにいるんだろう。
身内に頼まれた、とか?
「ねえ柳く」
「ん、何でゲームショップにいるの?とお前は言う」
いやいやいやいや、何で分かるし。
柳君怖い、誰か…いや手塚君助けて!
手塚君いないけどね!
「ゲームショップには立ち寄っただけだ、特に用はない」
「へ、へえー…」
じゃあその手に持ってるゲームソフトは何!?
……言いたかったけど言えなかった。
だって怖いよ柳君!
何か逆らったら駄目なオーラが出てる、特に目から。
開眼したらもっと怖いんだろうな…。
「あ、じゃあさ。これなんかオススメだよ」
「これか…これはゲームのシステムがよかったな」
「うんそうそ、う…ってえ?」
今普通に返事したけどあれだよね、ゲームしてます発言したよね。
イメージ崩れた…!
「あ、いやその私何も聞いてない。何も聞いてないからあああああ!」
いや本当マジで。
何も聞いてないから!
だから開眼止めて!
でも言ったら言ったで怒られそうだ…!
何だか損じゃね、私。
口滑らしたの柳君じゃんか…!



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