ただし丸眼鏡、てめえは駄目だ
 

今日はオフ会。
有名な歌い手さんの『〇-〇(丸眼鏡)』さんと会うことになった。
エロボイスで有名な〇-〇さんとは元からつぶやいたーで会話をしていて、話が盛り上がって会うことになった。
…うん、凄い楽しみだよね!
名前の通り丸眼鏡を掛けていて、髪は肩につくくらいで群青が掛かった黒って聞いた。
………丸眼鏡掛けてるならすぐ分かりそうですはい。
とりあえず男女二人っきりになる気はさらさらないから、ボーリング場で会うことにした。
…嘘ですただ単にボーリングしたかっただけです。
だって同じ学年の大石君がボーリングの話してるの聞いてから凄い行きたかったんだよね!
やつ…プロですぜ。
とまあそんな事情もあって私は待ち合わせ場所をこの近辺で有名なボーリング場にしたのでしたまる。
「…〇-〇さん遅いな、そろそろ待ち合わせの時間なのに」
「嬢ちゃん、足綺麗やな…」
ゾワッ。
「ふぎゃああああ!この…変態!」
「え、ちょ待っ…ぎゃあああああ!」
…え、あれ?
今私何投げたよ。
咄嗟に近くにあった丸いものを投げた…投げ…あ。
そうだボーリングの球投げたんだった。
てへぺろ☆……じゃねえええ!
ピクリとも動かないんだけどあの人!
肩につくくらいの群青が掛かった黒い髪のひ、と…。
え、群青が掛かった黒い髪…?
まさか。
ゴロン、と俯せ状態の男の人を仰向けに転がす。
…うん、丸眼鏡掛けてないから違うや。
別に私近くに落ちてる明らかにレンズが割れてひしゃげてる丸眼鏡なんて知らない。
断じて見てないよ。
とりあえずこの人どうしようか。
そこに転がしておく?
ちなみに変態に使う優しさは持ち合わせてないよ、だって変態だもの。
……いや、〇-〇さんの生放送で脚フェチだって聞いてたから気にはしないけど!
きっと自分の欲望を抑え切れなかっただけだから、よくあるよねうん。
…あれ、でもそれって変態だよね。
「い、つつ…」
あ、起きた。
……とりあえず丸眼鏡について謝ろうそうしよう。
「あ、あああ!?俺の眼鏡が割れとる…!誰が…誰が俺の眼鏡を…っ」
あ、やばい死亡フラグが立ってる。
だって目が死んでる…いや、殺気立ってる!
「いや本当誰なんだろうね、全くけしからんことをするやつがいたもんだ!」
とりあえず知らないフリして手を差し出した。
…うん、本当に知らないよ。
私は割ってない、勝手に割れたんだよきっと。
















「改めて、『刹』こと金代泉李です、最近好きなことは変態をギッタギタにしてやんよ!です」
「何やいきなり怖っ!…『〇-〇』こと忍足侑士や。よろしゅうな、嬢ちゃん」
あ、名前言ったのに嬢ちゃん呼びなんだ…。
しかし丸眼鏡掛けてない方がかっこいいと思うんだ。
何か普通にあのあと鞄から取り出したからね丸眼鏡。
度が入ってないのを。
そのセンスに脱・帽☆しました。
とまあそんな裏話を脳内で流して忍足君をガン無視してたら怒られた。
えええ、何で!
だって脚のよさとか語られても困るんだよ!
もっと別の話あるよね?
え、ない?
マジでこのオフ会ってそんな特殊な性癖ばらそうぜ!
みたいなノリなの?
何それ怖い。
そんな忍足君との出会い。



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