持ってけ!学ラ…あれ?
 

「……え?すわさんからメールが来た?」
「ああ、例のあれが出来たらしい」
学校で偶然会ったから会話してたら、手塚君からそんな話を聞いた。
時間もさして経ってないのに凄いな財前君。
「じゃあ今度集まることになる系?」
「ああ、こちらに来てもらってばかりでは悪いから今度は大阪に行こうと考えている」
まあそうだよね。
往復のお金結構掛かるし。
ちなみに私の家は基本放任主義な上、お土産さえ買って来ればお金は出してくれたりする。
……うん、駄目な両親です。
万年新婚気分……あれ、でも何か喧嘩ップルです。
この間の喧嘩はヤバかったね。
何がってママンがパパンに生クリームべったりの焼きたてのスポンジケーキを顔面にぶつけてたもん。
…あ、もんとかキモくてさーせん。
「手塚君はお金平気?」
「ああ、貯金もあるし御祖父様から幾らか頂いている」
「ちなみに幾らくらい?」
「そうだな…ざっとこれくらいか」
「とりあえず手塚君、それ中学生が持つ金額じゃないよ」
手塚君の御祖父様どうなってるんだそれはあげ過ぎだと思うよ。
御祖父様、手塚君を溺愛してるのか……?
「でも逆に凄いよね、その大金を貯めてるなんて」
「そうか?使い道もさしてないだけだが…」
堅実だね手塚君!
硬派だ硬派。
何だか感動してると手塚君が私の頭を撫でた。
……何事!?
「……(髪がサラサラしているな)」
「なななななな、何事かな手塚君!」
「テンパり過ぎだ、金代」
「いやいやっいきなり頭撫でられたらテンパるよ!」
「すまない、犬に見えたんだ」
「素直に謝ってくれたのは嬉しいけど余計な一言入ってるよ!」
「犬に見えたんだ」
「何故そっちを残した!」
手塚君の天然に負けました。





















「さてどうしよう」
せっかくの遠出だ、服に気を使っていかなくては。
あー……コスプレ用の服しかないや。
でもこれ、ドン引きされそうで怖いですはい。
「いっそのこと買って来よっかな…」
時間はあるし、大丈夫!…だよね?
服のセンス0だしなー。
何かいきなり難問にぶち当たってね?
「まあいいや、コスプレで」
ウィッグとかまで付けないし、服だけだから分かんないよねきっと。
なるべくありそうな服を選んで着た。
……あ、これ服の選択ミスったな。
何で学ランにしたし。
普通だけど色々アウトだ…。
「…まあいっか!待ち合わせに遅れても困るし」
鞄も肩掛けのリュックをしょい、私は駅へと走った。















「…金代、男だったのか?」
「素敵なボケをありがとう手塚君。もう最高だよ」
手塚君の天然っぷりすら可愛く思えてきた。
え、何これ新手の罠?
新境地、開拓しそうです。



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