スパルタボルト
 

手塚君によるスパルタにより、私のHPは0になっていた。
「うう…手塚君の鬼…」
「これも金代、お前がゲームをクリアする為だ」
「だからって、ボス戦直行でしかもそのあと適正レベルよりも15高いとこはキツイよ!」
「そうなのか?しかし、強い相手の元に行かなくてはレベルは上がらないが」
……うん、何となく分かってたよ。
手塚君、天然だし…それ素で言ってるよね。
「うん、そだね…とりあえず進めよっか」
「ああ」
「…あ、手塚君そっちの方に敵が行ったよ」
「分かった」
うわ、手塚君容赦ないな!
今16コンボ決めたよ!
しかも自分よりも50以上レベルが低い敵に。
「どのような相手であろうと常に全力を出せ。…御祖父様の言葉だ」
「御祖父様かっこいい!でもゲームでもそれ適用しちゃうんだ!」
「ああ、御祖父様の言葉に感銘を受けた」
真面目な顔をして言う手塚君。
ええー…。
でもそんな手塚君も好きです。
「…連携決めるぞ!」
「お、おー!」
手塚君が熱い…!
「…お、終わった?」
「ああ、なかなかいいコンボだったな」
「むしろ手塚君の攻撃が流れるように当たってて凄かったよ」
いやもう私いらなかったじゃん。
「いや、金代のサポートがなければ俺も危なかった」
「え、HPは全然余裕だったけど」
「フィールドから落ちかけていた」
「ああ…まあ落ちるとHP0になるけどね」
つまり戦闘では役に立たなかったってことか…!
いやまあ知ってたけどね!
私適正レベルより低かったし。
まあ適正レベルになったけど…。
「では次はこのステージに行こう」
「いやいや手塚君、また私の適正レベルより10以上高い場所を選ばないでよ」
「…では始めるぞ」
「あれ、無視?ちょ、手塚君!?」
あ、また死亡フラグが……。


















「手塚君マジ鬼畜」
ピロリロリ。
戦闘終了の音楽が響く部屋の中、私はそう呟いた。
「…俺はいつものやり方でやっているだけだが」
「え、手塚君それはやり過ぎじゃ」
「常に自分に厳しく、律さなければ強くなれない」
「手塚君かっこいいけどゲームにまでそれを適用しちゃうか」
「ああ」
だがそこに痺れる憧れる!
……じゃなくて。
手塚君マジ自分に厳しく他人に厳しくだ!
でもゲームでもそれを実践するのって凄いよね。
「今日はそろそろ終わりにしようよ、結構長いことやってたし」
「そうだな、…すっかり遅くなってしまったからな」
「うん、そこまで見送るよ」
「いや、それは悪い。金代は女だろう」
……ああもう。
本当手塚君大好きだ!(友情的な意味でね!)



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