閑話的思考回路
 

「手塚君、差し入れ持って来たよ!」
生徒会室に乗り込んで私お手製のおはぎを見せた。
「すまないな」
見ていた書類を机に置いて手塚君がこっちを見た。
「あれ、手塚君一人?」
「ああ。今日は俺が個人的に進めていただけだ」
「この量を?」
「なるべく他の者に負担が掛からないようにな」
席を立ち、伸びをしながら手塚君は言った。
……手塚君、そのうち疲労で倒れそうだな。
「今日は私も手伝うよ」
「それは、有り難いが…迷惑は掛けられない」
手塚君たまに凄く頑固だ…!
こうなったら最終手段。
「私達、親友でしょ!親友なんだからもっと頼ってよ、ね?」
「!……金代、その…ありがとう」
手塚君、親友って言葉に弱い…?のかな。
まあいいや、手塚君の手伝い出来るようになったし。
あとで軽々しく人に頼まれちゃ駄目って言わないといつか倒れそうで怖いです。
「あ、手塚君。これ期日別に分けるね」
「ああ、分かった」
確認しながら分けていき、私は息をついた。
よく倒れないよね手塚君。
生徒会の仕事にテニス部のこと、それから多分勉強とかしてるだろうし。
「手塚君、私で良かったらこれからも手伝うから!」
グッと拳を握って言うと、僅かに驚いたような顔をしたあと嬉しそうに笑んだ。
……え、普通に笑った?
嘘っ凄い貴重じゃん、マジで?
いつもの手塚君も良いけど萌え…っ!
「ありがとう、金代」
…………!?
きゅんって来たよきゅんって!
もう私手塚君がいれば他の萌えとかいらない。
「あ、おはぎ食べようよ!」
「ああ、いただこう」
おはぎの入った重箱を差し出すと手塚君は一つ食べて言った。
「あまり甘くないんだな」
「うん、何か男子で甘いもの好きな人って少ないし。私もさっぱりした甘さが好きなんだ」
「和菓子は作るのが難しいと聞いていたが、美味い」
「おばあちゃん直伝だからね!私はあまり料理得意じゃないよ!」
Vサインしながら言うと手塚君に呆れられた。
……べ、別に悲しくなんかないんだからね!
「あ、あとさ。今度ゲーム一緒に進めてください」
「構わないが…」
「よっしゃ、良かった。私どうもゲームは苦手で」
「そうなのか?」
「うん、基本RPGは中盤で何回もゲームオーバーしてふとした拍子に終盤まで行って何とかクリアするタイプ」
いやもうマジで泣くよあれ。
チマチマセーブしながら何とかクリアするの。
時間も凄い使うから。
買っても始められないゲームとか多いよ。
しかも終わったら出たばっかのやってくから溜まってく一方だし。
「そうか、ならば次の土曜日が午前だけ練習になっている。その後は空いているか?」
「うん、バッチリ空いてるよ」
むしろ用事があっても空けるから。
大丈夫!
手塚君の為ならたとえデートとかあってもキャンセルするから。
手塚君(語れる親友)>>>>>>>越えられない壁>>>>彼氏だから。
むしろそれしかないよねうん。
「それじゃあ早く手塚君終わらせて帰ろー」
「ああ、そうだな。…では、油断せずに行こう」
「うん、そだね。油断せずに行こー」



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