癒し系褐色さんいらっしゃーい
 

「ジャッカル君!ひっさしぶりー!」
「初っ端からテンション高いな、お前…」
だって癒しのジャッカル君に会えるとかテンションも上がるよ。
ジャッカル君は私が神奈川のゲームセンターまで足を運んで迷子になったとき、仲良くなった。
マジいい人だよ。
私半泣きで誰も話し掛けてこなかったのにジャッカル君普通にハンカチ貸してくれて道案内してくれた。
手塚君とは違った意味で萌えントを突いてくる。
絶対ジャッカル君モテてると思うよ。
「今日は迷子になってたときのお礼をしようかと思って」
ちゃんと連絡先交換したからね、私。
「あー…でも別に対したことしてねえし、気にしなくて良かったのによ」
「……!ジャッカル君マジかっこいい!」
「え?あ、おう…?」
うん男前過ぎる。
ジャッカル君これで彼女いないとか…周りの女子馬鹿だと思う。
こんな思いやり溢れたジャッカル君最高だと思うようん。
「でもそれじゃあ私の気がすまないから」
「あー……じゃあそこの自動販売機でスポーツドリンクかなんか買ってくれればそれでいいぜ」
ジャッカル君……!
何処かでお昼奢ろうと思ってたのに何処まで男前なら気が済むの…!
「あ、そういえば聞きたかったんだけどよ…東京からこっちに来てるみてえだけど何処の学校なんだ?」
「青学」
「、俺は立海だな」
あれ、何か一瞬ジャッカル君固まったよ。
「あ、あー…ジャッカル君てサッカー部?」
「え?いや…テニス部だ」
「へえー。テニ、ス部…?」
何か最近よく聞く単語聞いたよ。
「え、テニス部?あの人外な感じなことが起きるあれ?光るとかいう」
「落ち着け金代!光るのは一部のやつだけだから!」
「あー、うん?……よしおけおけ把握した」
聞いただけだから実際に光るかとか知らない。
……あ、でも一部の人は光るんだ。
「まあいいや。にしても何だか最近、テニス部の人によく会うなー」
「そうなのか?」
「うん、まあ。何だろ…体質?」
「体質でテニス部のやつ引き寄せるとか逆に怖いだろ」
「うん、確かに」
そんな話をしながら私とジャッカル君は近くにあったファミレスに入った。
「何食べる?肉?肉がいい?」
「何で肉をチョイスしたんだ…?」
「男子は総じて肉が好きだから」
「…いや、多分肉食えねえやつもいるぞ絶対」
メニューを開きながらジャッカル君に尋ねる。
「…あ、そういえばジャッカル君。手塚国光って知ってる?」
「…!?」
水を吹き出しかけたジャッカル君は私を見つめた。
「知ってるっつーか…全国で当たってるからな。部長だよな?」
「うん、男子テニス部の部長」
「何でいきなり手塚の話なんだ…」
「え、何か親友になっちゃいまして」
「…あの手塚とか?」
「どの手塚君かは知らないけど多分その手塚君」
店員さんを呼びながら私は水を飲んだ。
「ハンバーグステーキの半ライス一つ」
「俺は鶏のグリルステーキのライス一つ」
注文をして、また話を再開する。
「タイプは全然違うように見えるんだけどよ」
「いや、結構話せる人だよ?絶対表情で損してる」
「表情?ああ…あまり顔色を変えないよな」
「え?」
「は?」
「手塚君結構表情豊かだよ。分かりにくいだけで」
「え、そうなのか?」
水を飲み、私は喉を潤す。
「んー……そうそう。口元なんか微かに緩ませたりするしさ」
「それ、分かりにくいな…」
「まあね。でも手塚君私の萌えントを掴んで離さないから!」
私が言うとジャッカルが微妙な顔をした。
「お前、見た目はまあまあ良いのにその性格で損してるだろ」
「うん、よく言われる」



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