移動
 

「それじゃあこれから移動するで!」
部屋へと銀音がやって来た。
ちなみに、以前財前からプレゼントされたウサミミパーカー着用済みである。
「これからな、コートまで移動すんねんけどな、あんなあんな!今日はちょっと違う道から行くで!」
「違う道…?」
「おん!」
行っくでー!と元気良く言う銀音に押されて、少し遠回りな廊下を歩く。
と、そこに何やら騒がしい一角があった。
「何や、これ?」
気になった謙也が見てみると。
「おめでとうございます、榊監督!」
「竜崎先生お幸せに!」
何故か榊監督と竜崎先生が結婚式を開いていた。
いつの間にあんなに豪華な式会場を作ったのだとか色々言いたいことは多々あったが、真田はおめでとうございます!と男泣き。
「あの二人が結婚…ど、どうやら俺のデータに狂いが生じているみたいだね」
動揺の色が隠せない乾。
跡部は暫し硬直したようにその様子を見ている。
「全員色々な意味でアウトや…!」
謙也が頭を抱えた。
「その結婚、ちょっと待った!」
バン!と荒々しい音を立てて4人が見ていた廊下近くの扉が開く。
中から河村が出て来た。
「青学の河村…!?」
「河村…」
「竜崎先生、本当にそれでいいんですか?!」
「何やこの急展開」
「謙也、アホやな。結婚式言うたら花嫁の強奪やろ?」
「うおっ!白石、いつの間に!?」
いきなり後ろから白石に話し掛けられ驚く謙也。
「ほら、見てみい?あの河村クンの凛々しい顔…」
「あれ、バーニング状態なだけやな」
「あれぞまさに男!絶頂や!」
「スマン誰か通訳呼んで!」
気が付けば周りは大笑いしていた。
どうやら花嫁強奪の際に何か起きたようだ。
「え、え?何や?何が起きたん?」
『跡部、乾、真田、アウト』
「いくらなんでもあのタイミングであのネタはねえだろ…っ!」
「まさかこのタイミングでだなんて…!計算してなかった…」
「くっ…この程度のことで…たるんどるぞ俺!誰か殴ってくれ!」
「お望み通り俺が殴ってやるよ、真田」
跡部、乾は黒い人に鉄拳を食らったが、真田は幸村から鉄拳を食らった。
「マジでどういうことなん!?」
一人だけ状況を理解出来ない謙也だった。



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