注意事項
 

何とか収拾を付け、4人+1で他の部屋へと移動する。
「……此処が4人が過ごす場所です」
いきなり何もないところで転んだのがよっぽど答えたのか、泉李の目は遠くを見ていた。
「あ、練習時間もちゃんと設けてあるから心配しないでって幸村君が言ってたよ」
そんな言葉を残して泉李は足早に立ち去っていった。
部屋の中にはそれぞれに机、椅子が用意されていた。
「………」
沈黙が走る中、恐る恐るといった具合に声を上げたのは謙也だった。
「な、なあ!この中にガ○使知らんやつおるんか?」
「俺は見たことはないけど、桃が騒いでいたのは聞いたことがあるくらいだな」
「俺様は、あんな庶民が見るようなモンは見ねえ」
「ガ○使とはなんだ?」
「って、全員知らんのかい!」
跡部が知らないのは何となく予想していたとはいえ、まさか全員知らないとはと愕然とする謙也。
笑うなと聞き、更には既に罰ゲームを受けているから笑わないようにはするとは思われるが、一番問題なのはそうすることで逆にいつもなら笑わないことでも笑ってしまうことだ。
要は気を張り過ぎて些細なことにでも敏感になってしまう。
その恐ろしさを3人は知らない。
ただ一人、その恐ろしさを知っている謙也は教えるべきか教えないべきか悩んだ。
そして、謙也は口を開いた。
「このゲーム、笑ったらアカンって思えば思うほど笑いやすうなんねん。せやから、その…」
「フ、その程度のこと、この俺の妨げになるものか!フハハハハハ!」
「……(早速笑うとるやん)」
『真田、アウト』
そうして真田は裏拳を食らった。



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