始まりの始まり
 

「そんな訳で、今日は監督達の許可も取ったし【笑ってはいけない合同合宿24時】を開催しようと思う」
「いきなりどうしたんだ、不二。それに幸村も…」
朝練が終わり、朝食を取り終わった頃。
そんな風に話が始まった。
「ほら、一昨日金色と一氏が言っていただろ?この合宿には笑いが足りないって」
「確かに言うた覚えはある、けど…」
小春が困惑した表情で話す。
「でもそないな開催、よう監督達が許したなあ」
白石がそう聞くと、幸村は笑顔で言った。
「ああ、監督達もノリノリでね。榊監督に至っては費用の全面的なバックアップを名乗り出てくれたよ」
果たしてその言葉は真実なのか、監督達はこの場にはいない。
「…つーかそれって、パクリじゃね?」
向日がボソリと呟くが、全員状況把握をしようとしていて反応しない。
「ルールは大体分かるよね?」
「年末にやってるアレっスよね」
不二の言葉に越前がPonta片手に答える。
「そう、それそれ。まあせっかくだし、全員が何らかの形で参加出来るようにこの企画のマスター…総責任者を決めておいたよ」
「総責任者、とは…一体誰のことですかね」
端の方で固まっていた比嘉を代表して木手が尋ねる。
「そこはおいおい。…それから、今から決めると大変だから先にあみだくじで決めておいたよ」
学校ごとに一枚あるのか、それぞれの部長に配られていく。
「青学からは俺みたいだね…いいデータが取れそうだ」
「俺様が、参加者だと…!?フン、上等だ」
「お、俺が参加者なのか!?キエエエ!」
「俺、絶対罰ゲーム確実やん!」
そんな声が上がる中、比嘉中は沈黙したままだ。
「わったーがいないさー」
「君達には笑わす側での参加をお願いしたくてね」
そのまま比嘉の面々は退室していった。
準備があるので仕方なくだが。
「大体のルールは分かっているみたいだし補足ね。まず、衣服は決められたものを着ること。とりあえずジャージね」
「それから笑わす側。君達は全身全霊を持って笑わせるんだ」
簡単な説明も終わり、最後にと幸村が話す。
「開始時刻は8時。もうすぐだよ」
「それじゃあ4人とも、頑張ってね」
全員が出て行く中、一人の少女が部屋へと入ってくる。
「えーと、不二君と幸村君により派遣されました。金代泉李です、気軽に呼んでくだしあ」
そんなこんなでスタートまでのカウントダウンは始まったのだった。



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