「そろそろ寝ないか?」
大分疲れが溜まってきた4人は、早めに就寝することにした。
「何か、疲れてしまったな…」
「そんなときの為に乾汁を作って…」
「いや…いらねえ」
乾が嬉々として何やら用意しようとしたが跡部がバッサリ切り捨てる。
「それより、何か頬を冷やすものが欲しいな」
「せやな。明日絶対腫れとるで」
「氷が何処かになかったか?」
「いや真田はいらんやろ、氷…」
全く頬が赤くなっていない真田を見て謙也がツッコミを入れる。
「仕方がない、食堂まで行くかい?」
「そうだな」
「無視かい自分ら!」
謙也のツッコミをスルーしつつ、3人は歩き出す。
「食堂は厨房への立ち入り禁止になっていたと思うが、大丈夫なのか?」
「アーン?誰かしらいる筈だぜ」
4人でぞろぞろと移動すると、向かいから誰かが歩いてくる。
「おや、皆さん丁度いいところに」
「その声は…柳生か?」
「ええ。頬を大分赤くしていたようなので氷をそちらに持って行こうとしていたところです」
今そちらに持って行きますね、と付け加えると4人の方に歩み寄ってくる。
「すまな、い…」
乾がお礼を言おうと口を開くが固まった。
「おや、どうかなさいましたか?」
別段変わらない様子の柳生。
しかしその顔には鼻眼鏡が装備されていた。
「ふ、くくっ…」
「ぶっは!」
「ふははは!」
「………ふ」
4人は笑ってしまった。
一度鉄拳を受けてから氷を受け取った。
「あれはズルいわ…」
「確かに、柳生のイメージから程遠かったから油断してしまったな」
『油断せずに行こう!』
「…ふ、」
『乾、アウト』



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