夕食
 

食堂に辿り着いた4人。
昼時にいたいつきの姿はなく、厨房には手塚が立っていた。
「手塚!?」
「どうして厨房に…」
動揺する4人を尻目に既に食堂内にいた泉李が声を上げた。
「国光ママンおかわり!」
「ああ、たっぷり食べろ」
「ママンのご飯!」
真面目な顔で手塚が料理を泉李に渡す。
そのまま後ろを向き、厨房の奥へと入っていく手塚。
その背中には『塩派部長』と貼り紙が付いている。
「…くっ」
「ハッ、無様じゃねーの」
真田と跡部が噴き出す。
『跡部、真田、アウト』
2人が鉄拳を食らう横で乾と謙也はぽかんとしている。
「んんーっ絶頂!ええ匂いやな」
ドヤッと書かれたTシャツ姿の白石が入ってくる。
4人の横を通り抜ける。
Tシャツの背中には『I LOVE KABULIEL』と書かれており、カブトムシのマーク付きだ。
「ちょ、白石おま…っ」
謙也がポカンとする中、次々と誰かが入ってくる。
「ワイ、もう腹ペコや!」
「…何で俺もこないな格好をせなアカンのですか」
「金ちゃん、走ったら転けるばい」
「ご飯やご飯ー!」
「銀音、あまり騒ぐな」
上から金太郎、財前、千歳、銀音、柳である。
ちなみに格好は小ト○ロ、中○トロ、大トト○、メ○、さつ○である。
「蓮二…!?」
乾は唖然としている。
柳は背が高く、銀音との身長差がある為何となくアンバランスだ。
「どうだ貞治、似合うか?」
幼少期からの付き合いである乾はその問いの正確な意味を知っていた。
しかし答えると自分はどうなるのか、分からない訳ではない。
なので曖昧に誤魔化し視線をずらした。
「あーっ真田や!さーなーだーっ」
銀音にくっ付かれる真田。
にやけている。
『真田、アウト』
「む、しまった…!』
真田はガクッと膝をついた。
そんな真田を取り残し、海堂が真顔でやって来た。
「フシュー…ママ、おかわりだ」
「残さず食べるように」
「…っはは!」
「海堂が…っ」
「……っ」
謙也は大声で笑い、乾はにやける。
堪えようとした跡部も肩が震えている。
『跡部、乾、忍足、アウト』



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