ダンボール
 

「あれ、何や?」
4人で食堂へと行く途中、何かが置いてあった。
「拾ってください、と書いてあるな」
明らかに大きなダンボールが置いてあり、モゾモゾと蠢いている。
「中には何が入って…」
「とうっ!」
開けようとした乾の顔の横に穴が開く。
その穴からは拳が飛び出ていた。
「お、乾やん」
冷や汗をかいている乾に声を掛けるダンボール。
…シュールである。
「あ、跡部に真田、それに忍謙もおるやんか!」
よっと、とダンボールから出て来たのは男版銀音(三年生兄のこと、詳しくは五万打企画にて)である。
「よう分からんけど此処におれ、言われたんやけど…あ、自分らにこれ渡すように言われてん」
幾分か落ち着いた態度の彼にほい、と手渡されたものはスイッチだった。
「またスイッチか…」
「何?またって前も出たん?押したらどないなるか見たいなあ」
キラキラした目を向ける彼。
そのキラキラした目に負けた謙也がボタンを押した。
『跡部、古武術』
「は!?」
「今、古武術と言ったけど…」
辺りを見回す乾。
しかし周りに何の変化も見られない。
「跡部さん」
涼しげな声が掛かる。
気が付くと日吉がすぐ側に立っていた。
「古武術ですのでそこに立って動かないでください」
「日吉、お前が俺様に罰ゲームを…」
「すいません。嫌でもルールなので」
失礼します、と一撃入れる日吉。
「凄い良い顔!」
謙也がそうツッコミを入れた。
ちなみにツッコミを入れながらも若干口元が笑っている謙也。
他2人も笑いを堪えている。
また、彼は大爆笑中だったりする。
『乾、忍足、真田、アウト』
「…はー、面白かった。頑張ってや!」
手をブンブン振りながら彼は去って行った。



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