昼食
 

ようやく午前練習が終わりお昼である。
食堂にと足を運んだ4人はその寒さに身を震わした。
「何だこの寒さは…」
「あ、遅かったな!もうメニューは出来てるだよ?」
「雪野か、お前いつの間にこの合宿所に?」
いつきが顔だけを奥から覗かせる。
「榊先生に頼まれたべ。温かいボルシチを用意したから、早く食べてくんろ」
そう言っていつきが厨房から出て来た。
「自分めっちゃ寒そうなんやけど!?」
いつきの格好は薄い部屋着に極端に短いショートパンツ、エプロンとトレードマークの厚手のマフラーのみだった。
「こんくらいの格好で寒いだか?」
「この寒さでその薄着…これはデータだ…!」
ずざああ、とスライディングするように乾が近寄る。
しかも新たなデータが取れるとあってにやけている。
『乾、アウト』
「え、わ、うわああっ!」
咄嗟にいつきが近くにあったピコハンで乾を叩いた。
意外とダメージが大きかったのか乾は倒れた。
「……」
「……」
「…今ボルシチを持ってくるべ」
視線を逸らし、何事もなかったかのようにいつきはそう言って厨房に戻って行った。



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