短編 | ナノ



金ちゃん姉がもしも復活世界にトリップしたら(金ちゃんと一緒、名前変換なし)



「沢田ーっ!!」
「朝から元気だなー、遠山君…」
「金ちゃん沢田が遠い目しとるで?」
「あーホンマや、どないしたんや?」
並盛町の一角にある並盛中学校。
此処には少し前から騒がしい双子が転入してきていた。
姉の遠山銀音、弟の遠山金太郎。
元から騒がしかった学校を更に騒がしくしている1年生である。
「ははっ朝から元気なのなー」
「あーっ山本や!おはよー」
「おっす、銀音。金太郎もおはよう」
「山本おはよーっ獄寺もおはよー!」
「ケッ……」
金太郎に挨拶されるが舌打ちをするだけで返事をしない獄寺。
そんな獄寺に沢田が注意する。
「ご、獄寺君。ちゃんと挨拶はしないと」
「…そうっスよね、すいません十代目!」
「だから俺はボスにはならないって……」
はあ、と溜息をつく沢田。
双子が転入してきてすぐに懐かれた沢田は、騒がしいメンバーがもっと騒がしくなったと内心思いながらも何処かこの日常を楽しんでいた。
時たま自分の超直感が訴えかける違和感に気づかないフリをしながら。
「ちゃおっす、ファミリー全員と交流を深めるのはボスの仕事だぞ。その調子だぞ、ツナ」
「リボーン!獄寺君はともかく山本や遠山君達はファミリーじゃないだろ!?」
「だってだって、山本も遠山達もファミリーになって欲しかったんだもん」
「んなっ…かわいこぶるなー!」
突然現れたリボーンにツッコミを入れる沢田。
勿論すぐに沈められた。
「ファミリーってよう分からんけどうちらはテニスあるから入れんよ?」
「せや!ワイはテニスと白石達とか銀音がおったらええから入らん!」
「うちも!テニスと幸村達と金ちゃんおったらええもん」
「チッ…残念だけど仕方ねえか。此処は引いてやるぞ」
双子の答えに残念そうな声で答え、リボーンは帰って行った。
「うう…リボーンのやつ」
「大丈夫っスか十代目!」
「何とか大丈夫だけど……ってチャイム!」
丁度鳴りはじめたチャイムに沢田は顔を青ざめた。
完璧に遅刻だからだ。
「ま、まずい…早く行かないと雲雀さんが!」
「ふうん…僕がなんだって?」
「かみ殺され…って雲雀さんんんん!?」
気づけば沢田は自分の周りに獄寺と山本しかいないことに気がついた。
双子は既に下駄箱の前に姿が見える。
「(見捨てられたーっ!)」←本当は元々話し終わってすぐに走って校舎に向かってただけ。
「で、僕の目の前で遅刻したんだから…覚悟はいいよね?」
ジャキン。
トンファーを構えながら雲雀はにやりと笑った。
「は、ははは……」
並盛は今日も平和に騒がしく過ぎていった。

金ちゃん姉IF―復活!やで―