「曇天の道をぶーらーりぶーらぶーら」
いきなり歌いながらとか引く…とか考えたら負けだよ!
そんな訳で相変わらず全開の名前ちゃんでごぜーやす。
え、何で歌ってるのかって?
決まってる、そこにジャンプがあるからさ!
「さっちゃんマジックのせいでまた積み重ねられた本の下敷きになってたけど買えて良かったよ……!」
さっちゃんマジ鬼畜。
「せーかーいーもーなーみーだーもつーよーさーもーわーすーれーてすーてーきーなーあーなーたーに笑われたーい、よ…」
「…………」
調子に乗って歌い続けてたら同じ学校の人に見られた。
見たことないから、多分一年生か二年生。
……。
「笑いたきゃ、笑えよ……!」
「何がっスか!?」
ツッコミを入れられた。
「穴があったら君を埋めたい!さあ掘れ、掘るんだ!」
「いやっ落ち着いてくださいって!別に笑ってないですから!」
「……うん、オケオケ。ごめん、何か」
落ち着いたよ、とりあえず。
改めて見るとツンツン頭で背が高いね君。
「いーですって。…あの、あれっスよね。手塚部長の恋人だっていう」
「え、恋人?いやいや、私は手塚君の親友だよ」
「親友っスか?でも、確かに英二先輩が…」
「英二先輩って、もしかしてあのぬこっぽい菊丸君のことかね」
「そう、ですけど…何スかその口調」
そうか、今だに勘違いしてたんだね……!
「よし、菊丸君にお灸を据えに行かなきゃね!さー鉄パイプ持ってーランランルー」
「いや、ランランルーの意味が分かんねーんで。って、鉄パイプなんか持ち出さないでくださいよ!」
「しょうがない、此処は君に免じて許してやろう…」
「はあ…(何だこの先輩)」
「あ、そういえば自己紹介もしてないジャマイカ!私は田中名前、花も逃げ出す中学三年生さ!」
「あー…桃城武っス。二年生で男テニ入ってるんで」
「噂の桃ちゃんか」
あれだ、ダンクスマッシュでドーンな人。
的確な天気予報が出来るって忍足君から聞いてるよ。
天気予報いらず!
「そんでそんな桃ちゃんにこれをあげよう」
「お、何スか?もしかして食事無料券か何か…」
「はい、橘杏ちゃん写真集」
「何で橘妹!?」
投げた!
私の渾身の作品が……!
「何てことをするんだ……!全国の杏ちゃんファンの皆に刺されるよ!」
「いるんスか、全国に」
「いるよ、九州の方とか。あと不動峰のリズム君が買ってたから」
「まあ神尾は橘妹のこと好きみてーだし」
「ぶっちゃけ、これ渡すから忘れてよ。さっき歌ってたの」
「ええー、でも普通に上手かったんですけど」
「……いや、上手い下手は関係ないから。私的に恥ずかしさが…羞恥で死ねる」
うん、本当恥ずかしいよ。
何で聞かれちゃったかな…手塚君や忍足君だったら良かったのに。
……日吉君は絶対馬鹿にするから見られたくないんだけどね!
「じゃあこうしよう。桃ちゃんが歌ってくれれば私はもう何も言わない」
「え、俺がっスか!?」
「うん、旅は道連れ世は情けって言うし?」
「えええ…」
とにかく歌うんだ、桃ちゃん。
赤信号、皆で渡れば怖くないんだから……あれ、何か違う。
「あーもう…一回だけっスからね?」
「マジか、さんくす」
ノリが良いね桃ちゃん、周りにいるテニス部の人は基本ノリ悪いからな…あ、手塚君は別だけどね!
意外とノリ良いんだよ。
「じゃあバカサバイバー歌おうか」
「あー、あれっスか。まあ良いっスけど…下手でも文句言わないでくださいよ?」
「うん、オケオケ。把握把握。名前ちゃんに任せとけ」
「絶対分かってないっスよね?」
「まっさかー」
とりあえず桃ちゃん、私とカラオケに直行しようか。
何だかんだで桃ちゃんとカラオケオールナイトしました。

───
玖月様リクエスト『オタ事情で刹がノリノリでアニソンを歌っているところを目撃』でした。
キャラ指定はなかったのでノリが良い桃ちゃんにしました。
…アニソン、あれアニソンで良いんですかね?←
最後のバカサバイバーは中の人繋がりです。
玖月様のみお持ち帰り可能です。


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