テクノ邂逅
 

人間誰しも間違いというか黒歴史はある訳で。
これは私が立海に通ってた頃のお話である。
「もうマジ最高…!6927hshs!1827もいい…!」
この頃の私はがっちがちの腐が付く乙女だった。
恥ずかしい話、青学ではオタクだってことを隠してたけど立海では隠すことなく過ごしてた。
結果、学校中で敬遠されてた。
そんな頃の私のちょっとした早まったことをしたかなって話だ。










「堕ちろ…そして巡れ」
ふざけて図書館で声真似をしてたときだった。
「マジリア充プギャー爆発しろ」
「…何を一人で騒いでいるのだ?」
「いやちょっと世の中のリア充に対する思いを……」
……what?
今私誰と喋ってるんだろーあはは。
ぎぎぎぎ、って音がするくらいぎこちなく振り返るとテクノカットの男の子が首を傾げて立っていた。
「リア充、とは何だ?」
「……し」
「し?」
「失礼しましたー!」
ダッシュで逃げた。
今の何、何なの。
元から人に敬遠されてるの知ってた。
なのに何で話し掛けてくる人がいるのさ…!
まして人があまり来ないブースだった筈の場所で!
「……私のこと、知らない訳じゃないだろうし」
よし落ち着けひっひっふー。
まあいきなり目の前から逃げ出した人には気分を悪くして、話し掛けてくることはないよねうん。
よっしゃ解決!
とか言ってた私が間違っていたと知るのは次の日のことだった。
「………………」
何でいるの。
あれ、だって用事があって此処に来てただけならもう来ないよね?
うん私だったら来ない。
……ああ、用事が終わってないだけなんだそうだそうに違いない。
邪魔になったら悪いから今日は保健室に行こう。
「む、遅かったな」
デスヨネー。
私に気付いた男の子は私を手招きする。
「全く…人の話を無視して走り去るとはたるんどるぞ!まして校内で走るとは!」
「声大きいよ、てか何?何故に私正座中?」
あら不思議気付いたら正座して説教されてました。
「決まっているだろう、決まりを破ったのならばそれなりの処罰を受けねばならんのだ。だから正座をしている」
「なるほどおk理解した」
正直理解はしたくなかったけどね!
「ところで一ついい?」
「何かあるのか?」
「いや…どちら様?」
「真田弦一郎だ」
どっかで聞いたことあるようなないような。
「よっしゃ、じゃあ今日から君は弦ちゃんだ」
「な…何をっ!」
「あ、ちなみに私は田中銀音ね。うん、苗字なり名前なり好きに呼べばいいよ」
もう考えるのが面倒になったからいつものハイテンションで行きますいえー。
ドン引きして離れてくかそれとも…みたいなwktkしてますやっふう。
「ならば田中、と呼ばせてもらう」
真顔でそう言うと弦ちゃんは私を立たせた。
「田中は此処で何をしているのだ?」
「何って…萌えと愛をついきゅ、げふんげふん。本を読む為だよ」
本は薄くてキラキラした本だよはい此処テストに出るよー。
「そうか。俺も此処には本を借りようと思って来ていたのだが…田中のリア充という言葉が気になり話し掛けたのだ」
「あー…」
「リア充とは何だ?」
ああ、つぶらな瞳が私に訴えかけてくる…!
「……か、」
「か?」
「彼氏と彼女の関係…つまり恋人同士仲睦まじかったりすることをリアル充実、略してリア充。みたいな…?」
「何故疑問形なんだ?」
「いやそこは察して欲しかったな!」










「……とまあ、弦一郎と田中の馴れ初めはこんな感じだな」
「え、何で柳君が知ってるの?てか…え?」
「調度通り掛かったので補足をな。お前がいたブースは日本史の書籍が置かれていた場所だからな。弦一郎と出会ったのも無理はない」
ふ、と笑いながら柳君は私と国光君を見つめた。
「男の嫉妬は見苦しいぞ、手塚」
「…………」
「嫉妬だと…!国光君は親友だから弦ちゃん相手に嫉妬する必要はないお!」
「そうだな、すまない銀音」
「国光君…!」
「さて、弦一郎が話し掛けたもう一つの訳は………ふむ。聞いていないようだしまあいいだろう」



───
紫春様に送るバトンのものです。
場面的には本編が始まる前、弦ちゃんと会ったときのお話。
ちょっとネガティブな夢主でした。
そして最後の柳さんの意味深発言はそのうちおいおい。



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