キャパシティ崩壊のお知らせ
 

※幸村キャラ崩壊注意。





冷たい視線、あの口調。
全てが全てとてつもなく好みだった。
「だからさ、俺…毛利様に踏まれたいんだよね」
きゃっ、言っちゃった言っちゃった。
なんて照れている精市に俺達立海男子テニス部レギュラーは悲鳴を上げた。
「ゆゆゆゆゆゆゆ幸村君…!?」
「……ははは、俺とうとう疲労で耳まで可笑しくなっちまったんだな…」
「う、嘘だ…ううう…幸村部長が…そんな、そんな…!」
「…あ、そうですか。これは仁王君の詐欺…そう、イリュージョンなんですよ…!」
「や、柳生…俺隣におるんじゃけど…!ちゅうかこれは夢なんじゃ、そうじゃ。絶対に夢なんじゃけえ…」
「幸村が、幸村が…だ、誰か俺の頬を叩いてくれ…!」
まさに阿鼻叫喚。
俺も冷静を装ってはいるが察してくれ、俺だって叫び出したい。
だが俺が冷静でいなくては誰がこの場を抑えるんだ。
冷静になれ、柳蓮二。
参謀として立海の頭脳として今は落ち着くんだ。
「………精市、何故そんなことを?」
「それがね、今日の昼休みに…」
俺の質問に良くぞ聞いてくれたとばかりに精市が語り出す。
…動揺していたせいで話を広げてしまうことになったようだ。










そう、昼休みのことだった。
俺は花壇に水をやりに行こうと中庭へと向かっていた。
そのときだった、毛利様の声を聞いたのは。
「焼け焦げよ、この下種めが」
その声と同時に俺の中に凄まじい程の電撃が走った。
その時点で俺のハートは既に撃ち抜かれていたんだけど、俺の目の前に毛利様が歩いて来ていた。
「捨て駒風情が我の前に立つな、消えよ」
電撃はその瞬間、快感に変わった。
ぼうっとしていたらいつの間にか毛利様はいなくなっていた。
俺、本当にどうしたらいいかな?










これを聞いて思ったのは一つだけだ。
最早手遅れだ、何も出来ることはない。
精市はドが付く程のSだ、サドだ。
その精市が一瞬でMになるなんて誰が予測出来ただろうか。
少なくとも俺には出来なかった、…いや、ある意味予測はしていた。
Sは堕落すると一気にMになると以前聞いた気がする。
つまるところ、毛利のSっ気に当てられたのか。
とうとう可哀相なことに泣き出し始めた赤也。
…それもそうか、尊敬していた、それも越えたい相手である相手だ。
泣きたくもなる。
俺だって親友がこうなってしまったんだ、泣きたい。
「あー…俺、今から毛利様のところに行って虐められたい」
「は!?ダメだって、なっ真田!」
「む、無論だ!」
丸井が弦一郎に同意を求めた。
それに弦一郎が頷き、精市は口を尖らせた。
「いいじゃんちょっとくらい」
「……精市、考えてもみないか。毛利の前にいきなり踏んでください、だなんて言って出て行ったら相手にされる訳がないだろう?」
「放置プレイだなんて、そんな高度なことをしてくれるなんて…!」
………駄目だ。
全てを全て、いいように捉えている。
「……ゆ、幸村部長が…う、うああああ」
「落ち着け赤也!これは夢だ、夢なんだ!」
必死に泣く赤也を慰めるジャッカル。
「幸村君がそんなこと言う訳ない、そうだこれはイリュージョンなんですよそうに違いないんですねえ仁王君」
「柳生それコケシなんじゃけど…」
「俺は、俺はどうすれば…!これも俺がたるんどるのがいけないのか!」
……本当に誰か助けてくれ。


───
キリ番119000白玉様リクエスト『婆裟羅毛利で立海ギャグ』でした。
幸村様が好きでしたらごめんなさい。
そして毛利が殆ど出てきません。
白玉様のみお持ち帰り可能です。



前へ 次へ

 
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -