あなたを虜にする予定です
 

織田市という存在は面白い。
きっとそれは、情報屋をしているから感じたものではなくてもっと本能的な何かで感じとったもの。
「これだから人間って素晴らしいよね。本当、愛してる!」
カタカタと音を立てながら軽快にパソコンを叩きながら情報屋――折原臨也はそう言って笑った。
そうして、彼の思惑に彼女は追加される。
力の存在すら知らない筈の折原によって彼女は歪んだ愛の物語に関わることになったのだった。
「セルティさん、こんにちは……」
『やあ、市ちゃん。ちゃんとご飯食べてる?何だか顔色が悪いけど…』
池袋の生きる伝説、黒バイクであるセルティ・ストゥルルソン。
そして一般人の少女であると認識されている織田市は目立っていた。
いくら夜とはいえ、池袋には人が沢山いる。
それが路地裏だったとしても彼女達はその組み合わせ故に人の視線を集めていた。
「今日は疲れてて……」
『疲れて?あ、もしかして静雄達の喧嘩に巻き込まれた女の子って』
仕事中に耳に挟んだ話を思い出して問い掛けると小さく頷く市。
「多分市だと思う…」
『え、だ大丈夫だった?何か自動販売機が市ちゃんの方に飛んだって聞いたんだけど』
「うん…丁度転んじゃったから……」
自動販売機が飛んできたとき、黒い手(市以外には見えてない)が動いて少しだけ進行方向をずらし、更に市の足を軽く引っ張り転ばせ、怪我をしないように受け止めていたことを言える訳もなく曖昧に笑み、市はごまかした。
『静雄達にはしっかり注意しておくから』
「うん、ありがとう…」
そんな会話をして、セルティは市をバイクの後ろに乗せた。
『家まで送るよ』
「え、でも…セルティさんお仕事は……?」
『大丈夫、後は家に帰るだけだったから』
降りようとする市を止め、セルティはバイクを走らせ始めた。
こうして、生きる伝説セルティ・ストゥルルソンに新たな伝説が出来る。
【黒バイクの後ろに乗る少女がいる】という伝説が。



――――
キリリク12000ゆず様リクエスト「もし緋色主が他の世界に転生したら」でした。
何処の世界でもいいということでデュラララ!の世界にしました。
管理人はデュラララ!の話をあまり知らないのですが←



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