美的感覚もなければ三次元に興味がない女の子の話。




「キャーキャー煩いな……」
舌打ち一つ、本日快晴。
朝から黄色い声が響いてます。
ホントにうっぜー。テニス部とか何?
二次元のキャラのがよっぽど良いや。
あれじゃあ人災だよ、人災。
「おはよう、空廻(カラカイ)さん」
「………」
隣に座ったテニス部の奴を無視してウチは机に突っ伏す。
レギュラーとかうざい。何で隣レギュラーなんだよ。
顔が良い?何が?別に普通じゃん。
昔っから美的センスないよね、勇那(イサナ)とか言われるけどさ。
仕方ないじゃん、ウチは二次元さえあれば良いし。
現実はかっこいい奴なんかと付き合う事なんて出来ないんだしさ、だったら最初からキャラだって分かりきってる二次元に恋すれば良いじゃん。
さっきからじっと見つめてくるテニス部の視線を無視しつつ、ウチはケータイを弄る。
ああ、言っとくけどウチは二次元に恋してはいるけど現実との区別は付いてるから。
現実と妄想のごっちゃになった奴ほど痛い奴は居ないさ。
「空廻さん?」
「………………………」
ああ面倒だ。どれだけ挨拶させたいんだよ、あんたはさ。
ほら他の女の子にでも話し掛けてろや。
こっちは夢小説読むのに忙しいんだから。
「…やっぱ好きだわ」
「……空廻さん?」
ボソリと呟いた言葉を聞いたらしい隣はもう一度ウチを呼ぶ。
「…何」
「おはよう」
「………………………、はよ」
マジで面倒なレギュラーだ。
ああ、申し遅れた。
ウチの名前は空廻勇那。私立立海大学附属中学校に通っている何よりも言葉を愛するちょっとだけ変わってる女の子だ。
隣で話し掛けて来てるのは………うん、誰だっけ。



な感じ。
未変換時は空廻勇那です。
基本的に周りに興味が湧かない為、隣の席に座っている幸村をオール無視しています。
授業中はノートに落書きしながら勉強、休み時間は携帯。
昼休みは人が来ない中庭の木の下に出没。
見た目が不思議なブサカワなキャラを心底可愛いと言ったりする。
……あれ、これキャラと絡めない?



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