立海大家族2―お昼寝編―
 

「もう家には慣れた?」
「んおー」
「ふふっそっか、良かったよ」
精市と銀音は留守番中だったりする。
「今日は煩い弦一郎もいないし、平和だね」
「おん?」
「あ、そうだ!調度いい天気だし」
そう言うと精市は近くの棚から大きなタオルを取り出した。
「ひなたぼっこ、しようか」
「うー」
精市の言葉に銀音は嬉しそうに笑った。















「せーまま」
「あ、ちょっと待っててね。今毛布(と武器)を取ってくるから」
可愛い娘の危険は避けて通る精市。
しっかりと竹刀を見えないように持ち、銀音の横に寝転がった。
「せーまま、おやしゅみ」
「うん、お休み銀音」
暫くするとすやすやと寝息を立て始める銀音に微笑ましい気持ちになりながら精市は笑顔で見つめる。
「本当可愛いよね、銀音は」
知人に預けられたときの様子を思い返しながら精市は小さく呟いた。
『ほんっまスマン!この子預かってもらえへん?』
『え、構わないけど…珍しいね、君がそんなこと言うなんて』
『俺かて嫌や。けど…今の家の状況や、とてもやないけどきっちり子育て出来んねん…!』
といったやり取りがなされ、銀音を預かることになった精市。
最初は面倒だと思いながらもあまりの相手の剣幕に圧されて了承した精市だったが、一目銀音を見てその考えを改めた。
『うー?』
キラキラした目で精市を見つめたかと思うと笑顔でぎゅっと服の裾を掴んで離さなかったからだ。
そんな仕種に見事ノックアウトした精市は即座に家に連れて帰ることを決めたのだった。
「…蔵ノ介の家、結構賑やかだしなあ。やんちゃしてる子が多いって言っていたっけ」
ふふ、と訪れると楽しげな相手の家を思い出し笑みを零し銀音の髪を撫でる。
「…うちは女の子いないし、何だか新鮮かもしれないな」
「んー…」
寝返りを打つ銀音を見つめたあとに目を閉じると、精市も眠りにつくのだった。


















「…、せーまま?」
暫くするとパチリと目を開いて横で寝ている精市をジッと見つめる銀音。
寝返りを打ってぴっとりくっつき落ち着いたとばかりに再び眠りにつく。
「今帰ったぜー…って二人とも寝てんじゃん」
ブン太が家に入って来ると寝ている二人を見て考える。
「…よっしゃ、写メってやるぜ」
シャッター音を切り、ブン太は写真を撮る。
「とりあえず精市母さんに送ってやればいいだろぃ」
銀音のこと気に入ってるみたいだしと付け足し満足気にブン太は携帯を仕舞った。



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