ねた帳 | ナノ




死神と××××

私の名前は××××。
ついさっき、不思議な人に会った。
「こんにちは」
「…え?」
不健康そうな青白い肌に長い銀の髪。
本当に生きているのか疑いたくなる、そんな人だった。
「おやおや…どうかしたんですか、私の顔に何か?」
「…随分と死相が現れた顔だな、と」
「……死にたいんですか?」
「いやまさか」
何なんだこの人、通報するべきなんだろうか。
「…と言っても、貴女はもう死んでしまっているのですがね」
「…………………え?」
「おや、気付いていらっしゃらなかったんですか。不憫ですねえ…」
くつりくつり、と笑う人。
…今にも死んじゃいそうな人に言われても。
「じゃあ死んでるの、えーと弱そうな人」
「切り裂きますよ」
「ごめんなさい」
あの人怖い、鎌持ってるんだけど。
「ええ、つい先程饅頭に喉を詰まらせてぽっくりと」
「えええ…なんてマヌケな死に方」
「あれは笑わせていただきました。見ていて楽しかったですよ」
「嫌味だ!」
趣味悪いよこの人!
「……あれ、じゃあ何でお兄さんは私が見えるの?」
「フフフ…さあ、何ででしょうね」
「死神」
「随分とお早い解答ですね…理由をお聞きしても?」
「何か見た目が陰険だから」
「…………」
あ、黙った。
「…やはり切り裂きましょうか」
「え、ちょっとタンマ」
ジャキン、と両手に鎌を構えるお兄さん。
…って何か変な緑色のオーラ出てるし!
「それでは、いただきますよ」
「……っ、」
振り下ろされる鎌に目を閉じるとキィン、と高い音が響いた。
「…え?」
「貴女、光の婆裟羅を持って………フフフ、ハハハハハ…っ。まさかこのような何処にでもいる娘が婆裟羅を宿しているとは思いませんでしたよ…」
鎌を下ろし、お兄さんは笑う。
「気が変わりました、私に着いてきますか?」
「………それはまた、随分といきなりなお誘いで」
「そうですか?まあ答えなど聞きはしませんが」
「は、」
「さあ、貴女と共に過ごすのも信長公と再び合間見えるまでの一興とするのも悪くありませんからね…」
「え、ちょ…っ」
お兄さんは話も聞かずに私の腕を掴んで引っ張り始めた。



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